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第2章 ページ37

「ぐっ、はっかはっ」
喉が渇く、異常なほどに。
締め付けられ息するのでさえも、辛い。

死ぬのかもしれない。
そんなことが脳裏によぎる。

「いやだっ、こんなところで」
死ぬなら女の子の腕の中とか、膝の上とか……
いや、今はそんなこと言ってる場合じゃない。

ひゅうひゅうとうるさい息の音を聞きながら意識を手放した。





夢の世界でたくさんの血を吐いた。






……眠い、だるい、辛い、苦しい?
よくわからない感覚で目が覚めた。

「……り、つ?」
自分以外の何かの音がし視線をやれば、凛月が床に布団を敷き寝ている。

「んん? ぁ、おはよう〜」
「おはよう。ごめん、起したかも」
目をこすりながら起きた凛月に静かに言う。
凛月はこちらを見ると
「あっ」
顔を見て声を上げた。そして、「動かないでよ」と一言いうと私の顔に手を伸ばして……
唇の横あたりに、冷たく細い指がふれる。

「いいよ」
指が離れ、そう声をかけられた。……指先がなぜか赤い……? 茶色っぽいっていうか赤みかかった……まあ、気のせいか。そう思いつつ
触ってみても特になにもない。

「なにかあったの?」
「なにも〜」

気になり聞くとそう言われる。
虫がついてたとか、そんなとこかな?

それならいいけど。
首をかしげ1人でうなづいていると、
「朝ごはん持ってくるからここで待ってて」
そう言い下へと降りて行った。

もう大丈夫なのに。
……それにしても、昨日のあれは。
過呼吸? みたいなものかな?でも、あの渇きは……

部屋のドアノブが回った。
凛月がきたのか。

「あかね、トマトジュースでも飲まんか?」
あ、違う。零が帰ってきたんだ。
トマトジュースの缶を二つ顔の前に寄せて聞いてくる零をみてそう思う。
「なんで、トマト?」
「一つ多く買ってしまっての」
「へぇ……もらおうかな」
ベッドからおり零こ前まで数歩歩く。
グラリ、一歩目を踏み出した瞬間世界が歪んだ。

「うわっ」そう声をあげた次の瞬間……
硬い胸板と程よく筋肉のついた硬い腕に包まれている。あ、零に突っ込んだのか。

「ごめん、めまいが」
そう、謝る。
「無理はいかんな。ゆっくり休むと良い」
にこりと微笑みつつそう言われ、ベッドまで背中を支えて座らせられる。そのまま壁に持たれながらトマトジュースを飲んだ。

……トマトジュースなんて、ひさしぶりだな。
そんなことを思いながら。

ん? 久しぶりなんてものじゃないな。
よく考えれば全然飲んだことないよ。2年ぶりとか?

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ももいちご。(プロフ) - 柊葉 美恋さん» いえいえ! 頑張ってください(^^♪ (2017年5月28日 23時) (レス) id: ade25ba987 (このIDを非表示/違反報告)
柊葉 美恋(プロフ) - ももいちご。さん» 擬人法と情景ですね…ありがとうございます!お礼遅れてしまい申し訳ありませんでした!これからも頑張ります。 (2017年5月28日 22時) (レス) id: 9d30e55e48 (このIDを非表示/違反報告)
ももいちご。(プロフ) - 少しずつ入れていくといいのかもしれません。あと、擬人法もあったほうがより味のある小説になると思います!! このくらいのアドバイスしか出来ませんが、これからも更新頑張ってください(´˘`*) (2017年5月8日 22時) (レス) id: ade25ba987 (このIDを非表示/違反報告)
ももいちご。(プロフ) - イベント参加ありがとうございます! あんスタは友達が好きなので少しは分かりました! 面白かったです! 1つアドバイスさせていただくならば「情景」が物足りなかったかな…と。しかし入れすぎてもこの小説の雰囲気を壊してしまうので、 (2017年5月8日 22時) (レス) id: ade25ba987 (このIDを非表示/違反報告)
柊葉 美恋(プロフ) - 日向サクさん» コメントありがとうございます!背後からギュは王道よね〜。期待に答えられるよう零が登場してくるところを増やして行きます!これからも宜しくお願い致します! (2016年10月19日 18時) (レス) id: 9d30e55e48 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:柊葉 美恋 | 作者ホームページ:(*/□\*)  
作成日時:2016年10月10日 15時

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