第89話 後日談の夜3 ページ40
深夜もいいところの丑三つ時、辺りは真っ暗で月と星の光だけが頼りの中、何故か稽古場の明かりだけ付いていた。
どうやらこのクソ太刀、前もって準備していたのか先に稽古場に来ていたらしい。霊力の残滓を感じ取ってわかった。……いや、そんな分析なんかどうでも良い。問題は一つ___。
あ「何故こんな真夜中に稽古場に?」
鶴「ふん、決まってるだろ?稽古だ稽古。この俺が弛んだ性根を叩き直してやろう」
……は?
ちょ、誰でもいいからこいつの言ってる意味を分かりやすく翻訳してくれ。
何言ってんだこいつ、というのがもろに顔に出ていたのか、心底不快そうに顔を歪めたクソ太刀。
鶴「なんだ?」
あ「いや、何だじゃありませんよ。大体弛んでもいませ____っ‼」
言葉を並べようとすればいきなり抜刀した状態で斬り掛かって来た。
だが私にはそれなりに反射神経を持っている為、直ぐに交わし斬魄刀を鞘ごと構えた。
皆さんお分かりだろうか?
稽古というものは本来真剣を相手に向けることはあまり無い。あったとしても、こんなガチ目且つ殺気を諸に出す事はまずあり得ない。
戦闘向けの稽古とは、自身にあった木刀を、木刀を持ち相手とぶつかり合うのだ。木刀大事だから念押しして二回言った。
しかも突発的に始めたりしない。
つまり何だ、稽古ではなく試合……否、死合いか。
どっかのツンツン頭の先に鈴をつけるあの戦闘狂を思い出し、思わず顳顬に青筋が立つ。
あ「あ、のぉ?本丸内での私闘は禁止、ですが!」
鶴「くっ、……はん!俺は認めてないんだ、私闘じゃあ、ないな‼と言うより何故抜かない!」
あ「抜刀は、しませんって‼」
怒り任せに鞘ごと相手へと振るも受け止められ、更に押し返され再びぶつかり合い。
弛んでいるという理不尽極まりない理由を押し付けられ、強制的に死合いをさせられ、怒りを覚えないわけがない。
あ「ふざけんなよ……」
鶴「それはこっちの台詞だ!」
あ「っ⁉」
意味がわからない上に何故か奴の霊力が大幅に増した。霊力アップに加え殺意も倍増。
……本当にこのクソ野郎とは分かり合えない。
話すら聞かないし話している内容すら全くわからん。
力技でさっさと終いにするか。
そう思って鬼道を展開させようとすれば、不意にぞくっと寒気がし、何故か背後に白太刀の気配がした。
あ「なっ、」
鶴「後ろだぜ?」
あ「っ___かはっ、」
ゼロ距離で背中を圧迫し押され、見えない力で壁へと吹き飛ばされた。
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十六夜 - えぇ、鶴丸落ちになりそうなんですが(汗)わたしは、三日月推しです!!! (2018年5月17日 3時) (レス) id: 625c8539c6 (このIDを非表示/違反報告)
十六夜 - 続きは、まだでしょうか?早く続きが読みたいです!! (2018年3月30日 11時) (レス) id: 625c8539c6 (このIDを非表示/違反報告)
瑞稀(プロフ) - うぉぉぉ!!!すごく面白いです!!!今後の展開も楽しみです! (2018年3月6日 22時) (レス) id: be8945b53e (このIDを非表示/違反報告)
白紫乃(プロフ) - とっても好きなお話です!更新お待ちしております! (2018年2月21日 20時) (レス) id: 43803e668e (このIDを非表示/違反報告)
霜月 - 鶴丸は、夢主が好きなんですね。でも、私としては三日月落ちがいいです!!三日月、大好きです! (2018年1月14日 15時) (レス) id: 51d1ba9355 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ミコ | 作成日時:2017年8月28日 12時