第90話 後日談の夜4 ページ41
ガンっと音を立てて壁に激突し、息の詰まった為激しい咳を繰り返すも間髪入れずに手が首へと伸び締められる。
あ「ぐっ、」
鶴「さっきの威勢はどうした?」
この野郎……今すぐぶっ潰してやろうか。
そう言いたいが首を絞められては、出たい言葉も出やしない。
……くそ、やばいな。
息が、できない。
がしっと絞められる奴の手首を掴み相手を睨みつける。この際だ、カミサマーっと建前の丁寧な言葉なんてこいつには不要!
あ「は、なせ……っ!」
鶴「………」
あ「はな、せ……と、いっ…てん、だろ、っ!」
どうにか声を振り絞り、怒り任せに相手を睨みつける。然しうんもすんも言わないクソッタレは、締め付ける手を緩めることも強めることもしない。
こいつが何を考えているかなんて、読み取ろうにも読み取れない。一層の事骨を砕き折ってやろうか…
そんな半ば物騒な事を考え始めた時。
鶴「……漸く、」
あ「っ、……‼⁉」
鶴「漸く、俺を見てくれたな」
何言ってんだテメェ。
まぁ確かにこいつが嫌いだったから見ている様に見せかけとりあえず視線を合わせない様にはしていた。何故かって?殺意丸出し敵意剥き出しの奴と目を合わせます?合わせねーよ。
安堵の表情に似た意味のわからない柔らかい微笑みを湛えては、ゆっくりと私の首から漸く手が離れる。
離れた瞬間一気に空気が入り込み、ごほごほと荒く咳を出しつつも相手を睨みつけたままの私。
あ「ごほごほっ……意味の、わからない事をっ」
鶴「……あの時から、君が頭の中を占領して、苛つきが止まらない。以降目を合わせようともしてくれなかった」
…ヤバイな、該当する出来事が多すぎて此奴の言うあの時が全くわからん。
鶴「いろんな奴から気に入られ、さぞかし鼻が高い事だろうな」
つまり何だ、私が人気者的な感じだから気に入らないと?ふざけんなよ、短刀達からならウェルカムだが、以外の刀なんざお願い下げだ。
一々発言される言葉が癪に触る。
鶴「他の奴の名を紡いでも、俺の名を呼んだことなんか無いだろ」
いやあんだろ、何回も鶴丸国永様と嫌味ったらしく思いつつ呼びましたとも。
づけづけと文句小言を言われ続け、流石に怒りを越し呆れ目を瞑れば、パキッと音がした。
……この、まるで金属が折れる…いや、ひびの入る様な音は何だ?
ふと目を開き相手を見れば、その光景に驚愕した。
哀愁含むクソ太刀の顔に、まるで物の如く……
大きな亀裂が走っていた。
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十六夜 - えぇ、鶴丸落ちになりそうなんですが(汗)わたしは、三日月推しです!!! (2018年5月17日 3時) (レス) id: 625c8539c6 (このIDを非表示/違反報告)
十六夜 - 続きは、まだでしょうか?早く続きが読みたいです!! (2018年3月30日 11時) (レス) id: 625c8539c6 (このIDを非表示/違反報告)
瑞稀(プロフ) - うぉぉぉ!!!すごく面白いです!!!今後の展開も楽しみです! (2018年3月6日 22時) (レス) id: be8945b53e (このIDを非表示/違反報告)
白紫乃(プロフ) - とっても好きなお話です!更新お待ちしております! (2018年2月21日 20時) (レス) id: 43803e668e (このIDを非表示/違反報告)
霜月 - 鶴丸は、夢主が好きなんですね。でも、私としては三日月落ちがいいです!!三日月、大好きです! (2018年1月14日 15時) (レス) id: 51d1ba9355 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ミコ | 作成日時:2017年8月28日 12時