第88話 後日談の夜2 ページ39
三「……そうか」
三日月さんはそれだけ呟くなり、そっと右手を伸ばしては私の頬へと撫で添え、欠月は私をじっと見つめた。
三「見習い、お主が何者なのかはわからん。だが、俺の様な付喪神が容易く触れてはならん存在であることは、お主から溢れでる気で判る」
あ「……流石、としか言いようがありませんね」
三「はっはっは、そうだろう？もっと褒めてよし」
いや、褒めませんけど。
三「……なぁ、見習い」
あ「何でしょうか？」
三「お主の、名が知りたい。死神、ではないのだろう」
そう言われて脳裏によぎるのは初めの頃の役人からの忠告。くれぐれも、名前を知られてはいけない。
そう、知れば神隠しの確率が飛躍的に上がる。
あ「………、」
三「……あははっ、良い良い。其方の事が気になり、言えぬものと分かっていながら聞いたまでのこと」
あ「政府からも口止めされいるものですから、ごめんなさい。三日月さん」
すると朗らかに笑う三日月さんは笑みを滲ませ手を離しては立ち上がった。
三「三日月で良い、呼ばぬと応えぬぞ」
あ「えっ、」
はっはっはっ、と笑いながら呼び止めようとするもすたすたとこの場を去ってしまった。
………何とも身勝手なじじいな事だ全く。
ぶつくさ小言を言いながら、立派な三日月をしばし眺め漸く本丸の者が寝静まった頃に下へと其の儘降りた私。死神の力が無ければきっと骨折もいい所だな。
あ「っ、」
不意に視界がぐらつき、立ち上がろうとするも蹌踉てしまった。……くそ、ここ最近何徹したか覚えていないが、寝不足だなこれ。
自作栄養スナミナドリンク(ある意味凄い味)を飲もうと思っていれば、とんと誰かが支えてくれる様に触れられる感覚がした。
きっと美鏡が出てきてくれたんだなと思いゆっくり振り返れば……
鶴「……大丈夫かい？」
お前かい。
思わぬクソ白太刀の登場に真顔になりつつも内心かなり驚いた。くそっ、心臓に悪い登場というか心配する真似はやめてくれ。殺気を隠すんじゃない前みたいにガンガンと当ててこいよ。
あまりの驚きに有難うの「あ」の口を作ったまま固まってしまった。
鶴「……君、聞いているのか？」
あ「聞いていますとも何でございましょうか鶴丸国永サマ」
やけくそ感半端なく言ってやれば、思った通り曇る顔。
鶴「人が心ぱ……げふん。おい、少し付き合ってもらおうか」
嫌に決まってんだろ
……という間もなく、半ば引き摺られる様に何故か稽古場へ向かった。
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十六夜 - えぇ、鶴丸落ちになりそうなんですが(汗)わたしは、三日月推しです！！！ (2018年5月17日 3時) (
レス) id: 625c8539c6 (このIDを非表示/違反報告)
十六夜 - 続きは、まだでしょうか？早く続きが読みたいです！！ (2018年3月30日 11時) (レス) id: 625c8539c6 (このIDを非表示/違反報告)
瑞稀(プロフ) - うぉぉぉ！！！すごく面白いです！！！今後の展開も楽しみです！ (2018年3月6日 22時) (レス) id: be8945b53e (このIDを非表示/違反報告)
白紫乃(プロフ) - とっても好きなお話です！更新お待ちしております！ (2018年2月21日 20時) (レス) id: 43803e668e (このIDを非表示/違反報告)
霜月 - 鶴丸は、夢主が好きなんですね。でも、私としては三日月落ちがいいです！！三日月、大好きです！ (2018年1月14日 15時) (レス) id: 51d1ba9355 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ミコ | 作成日時：2017年8月28日 12時
