第55話 ページ5
地に打った注射器がことりと落ちたと同時に、苦しげに胸元を抑え額に汗を滲ませながらも景山は笑っていた。一護は苦しみながらも必死に顔を上げ景山を見ては眼を見張る程驚愕した。
一「彼奴……っ、霊圧が」
あ「一護、余裕ができたら後で共戦して欲しい」
Aの言葉に一護は驚きつつAを見上げた。
一「っ‼⁉」
あ「……残念ながら、絶好調じゃない」
言葉通りAの表情は無表情に近いものだが、眼色は片側だけが赤色に染まり僅かながら額に汗が滲んでいた。
一「(彼奴、まだ中の雅って奴に半ば囚われた儘なのか……今こんな風に倒れている場合じゃねぇ‼)……わかった、少しだけ待っててくれ」
あ「有難う」
ぐじゅぶじゅっ、と何とも言い難い音を立てながら死神の姿から懸け離れた化け物へと変化する景山。
目玉は黒く大きく開かれながら半ば飛び出ており、顔は大虚の如く、それに鋭く尖る角が生え歯も尖っていた。身体は真っ黒に、虚の証である穴はどこにもなく、腕や脚などにも尖ったものが生え景山という人の形はどこにも無い。
景『フハハハハッ‼見ヨ、此ノ素晴ラシイ姿ヲ‼』
あ「(人格は持った儘の様だな……)随分と醜い姿になったものだな」
景『貴女二ハ、此ノ素晴ラシイ姿ガ理解出来ナイヨウデスネ……良イデショウ、真ノ力を見セテヤリマスヨ』
言葉の終わりと同時に一瞬の間に攻撃し合う様にぶつかっていた。景山には斬魄刀はない、その代わり鉄よりも硬い様な鋭く尖る伸びた骨を武器とし、易々とAの斬魄刀を受け止めていた。
あ「…っ中々やるな」
景『貴女ハ未完全、今デハ私ノ方ガ上ダ‼』
あ「ちっ！」
景山はAを上回る程霊圧を上げ押し返す。
その力と霊圧に舌打ちをしては態勢を整えるも第ニ第三と迫る攻撃をギリギリの所で回避しては受け止めるばかり。
此処まで押される相手を初めて見た一護は、結界内でギリッと歯を噛み締める。
今出て行った所で、唯の足手纏いにしかならないと判断してしまったからである。
無理も無い、最強にして最恐を誇る彼女が怪物と成り果てた敵に押されているからだ。つまりは、力は断然敵の方が上回っている。
一「っ、A！」
あ「はぁ、はぁ……大、丈夫……、」
景『弱イ、弱イ弱イ‼其ノ程度デ私ヲ倒セルト？笑止‼』
あ「かはっ、」
素早さも何もかも上回る相手に腹部を殴られ、飛ばされながら意識を内へと沈めた。
そう、邪魔をする呪いを抑える為に。
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月花(プロフ) - 続きが気になります。更新はいつになりますか？ (2019年11月2日 17時) (
レス) id: b5f612912a (このIDを非表示/違反報告)
うたプリ大好き?(プロフ) - 続き気になってます もう更新されないのでしょうか？ (2019年5月3日 3時) (レス) id: 48370e286a (このIDを非表示/違反報告)
無気力Love - 今まで全部見ました！市丸ギンとウルキオラをしなないようにしてくれて、仲間にさせてあげてありがとうございます！更新、頑張ってください！ (2017年11月18日 21時) (レス) id: c85e2b5b2f (このIDを非表示/違反報告)
うたプリ大好き?(プロフ) - 続き気になっています。もう更新はされないのでしょうか？ (2017年10月6日 23時) (レス) id: 4e8990689c (このIDを非表示/違反報告)
ゆうたすら(プロフ) - 刀剣乱舞のパスワードを教えて頂けませんか？ (2017年8月20日 20時) (レス) id: 152c51bac6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ミコ | 作成日時：2017年6月28日 13時
