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私を少し離れた場所へやると、悠仁はどかりと扉を蹴りつける。
「っ、と。…ん？
これでいいんじゃね？」
「ナイスだよ。早く行こう。」
「おう。」
急いで階段を駆け降りる。変わった気配はない。ただ、帳が上がらない。
部屋に着いて中に入ると、とても静かだった。時間的に彼らが起きていても、もうおかしくはない。
リビングへ続く廊下を歩いていると、見えてきたのは誰かの足で。
ズボンから少し覗く足首には見覚えのある青のミサンガ。一気に、心臓が冷えた。
「っ、翔大くん！」
嫌な予感がして、私は彼に駆け寄った。リビングへ繋がるドアを開けたとき、
そこにあったのは、彼の“足だけ”だった。
「A？」
「来ないで！悠仁、廊下にいて。」
しっかりしろ、私。こんな場面悠仁には見せられない。
声を張り上げて悠仁を廊下に残し、何とか正気を保って観察を始める。
足の近くには血の跡が続いていて、暗がりの中目を凝らしてそれを追っていく。
「翔大く、」
血溜まりのなか、壁に凭れかかる彼の姿。
駆けよればまだ息はあるようだった。しかしその呼吸は浅い。急いで医者に見せなければ、じゃないと命が危ない。
「っうおお？！」
突然聞こえた悠仁の叫び声。まさか、彼にもなにか？
「ごめんね翔大くん、あと少しだけ待ってて。」
こういうとき、つくづく反転術式を持つ人が羨ましいと思う。
それと同時に、自分の無力さを痛いほどに感じた。
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shinox2(プロフ) - 更新ありがとうございます！！ (2021年10月6日 0時) (
レス) @page31 id: 947326f28f (このIDを非表示/違反報告)
ハナ - すいません誤字ってしまいました...これからも頑張ってください！ (2021年8月14日 14時) (レス) id: a20e372e06 (このIDを非表示/違反報告)
ハナ - 前回の作品から来ました！めっちゃ続き楽しみです！これからも頑張ってくださ！！応援してます (2021年8月14日 14時) (レス) id: a20e372e06 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：巫女@桜 | 作成日時：2021年8月13日 0時
