【終わりのセラフ】天才少女と夜想曲 2ndstory

思い違いと必要 ページ24

翌日＿＿＿＿＿＿＿＿


『あ、与一と君月だ』

与一｢Aちゃん、おはよ！｣

『うん、おはよー』

君月｢目が開いてねぇぞ｣

『開いてる開いてる。眠いんだよねー』

君月｢三葉は？｣

『さぁ？知らない』


私と与一、君月は自然に肩を並べて歩く。

歩いていると三葉が前に居た。


『あ、三葉だ』

三葉｢ほら、早く行くぞ｣

与一｢そうだね！｣


そう言えば、優ちゃんとシノアに会わなかったなぁ…。

どうしてかな？


『ま、別にいいけど』

三葉｢何か言ったか？｣

『んーん、別に。早く行こっか』


私たち四人が屋上に上がると、グレンと優ちゃん、シノアが居た。


与一｢あれ？もう中佐がいる｣

君月｢ん？｣

『ほんとだー』

三葉｢グレン中佐、早いですね。
確か集合時間まで30分以上あるはずですが、あたしたちの思い違いでしたでしょうか？｣

『三葉、大丈夫だよー。思い違いじゃないから』


グレンはきっと、シノアに何か話しておきたいことがあったんだろう。


グレン｢優｣

優｢お？｣

グレン｢おまえはもっと強くなれる｣

優｢まじかよっ！！｣

グレン｢【鬼呪】の使い方はシノアや三葉……Aも多分いけんだろ、教えてもらえ。
別に俺じゃなくてもできる。じゃ、話は終わりだ｣

『…どこ行くの？』

グレン｢帰って寝る｣

優｢ちょっと待て。帰る前に一つ教えてくれよ。

柊暮人とかいう奴に俺たちはどっかの宗教団体が運営していた孤児院で人体実験の材料にされてたって聞いたんだけど、あいつの言ってたことほんとなのかよ！なら、俺たちはなんかの実験体なのか？｣

『私たちの家族も……ミカやあそこにいた孤児院の仲間たちもみんな、なにかの実験に使われてたの？
それをわかってて、グレンは私たちを利用しようとした？』


するとグレンは私たちの方を向いて眠たげな、どこか冷たい目をして口を開いた。


グレン｢そうだ。利用価値のない奴を助ける余裕はないからな｣

グレン｢で、それを聞いてガキが怒るのか？｣

『別に』

優｢どうせおまえが助けてくれなきゃ俺たちは死んでいた。おまえには恩を感じている｣

『……同感』

優｢だから、俺たちが気になるのは、俺たちはおまえの役に立つのか？ってことだけだ｣

『グレンが柊家と揉めてたり目指したりしてるとかはどうでもいいんだよね。グレンに私たちは必要なの？
必要だったら、同じ孤児院だったミカのことも欲しがってくれるの？』

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