永遠の魔法�� ページ6
『ウ…ル…?』
「A…目が覚めたか」
『ウル!その脚!!』
「!!」
Aの言葉で気付いたのか、
グレイはウルの脚を見て目を見開いた。
ウルの右足は既になくなっており、
代わりに氷で造られた脚がそこにあったのだ。
Aとグレイが絶句していると、
ウルは2人に微笑んだ。
「持っていかれたが気にする事はない。
素晴らしいだろう?造形魔法は。
あの怪物がお前の闇ならば、
私にも戦う理由があるという事だ」
ウルがそう言うと、
グレイは目から涙を流していた。
悲しみ、苦しみ、後悔…
グレイの涙には、
様々な気持ちが混ざっていた。
「行け。アレは私が倒す」
「ダ…ダメだ…オレは…行けない…
こんな事になったのは…オレのせいだ…」
「誰のせいでもない。
幸せを取り戻すための試練だ」
『なに、それ…』
ウルの言葉を聞いたAは小さな声で呟いた。
「幸せを取り戻すための試練…?
そんなのどうでも良いよ!
私はウルとリオンとグレイの3人で、
一緒にいれたら良いの!!
ねぇ、ウル…
今からでも帰ろうよ…
このままじゃ…ウルが死んじゃうよ…｣
Aは縋る様に泣きながら言うが、
ウルはそれに頷く事はなかった。
「ウル…本気でやってるの?」
「リオ…」
リオンは目を覚ましてそう言うと、
グレイの身体を押し除けてウルの元へ向かった。
「幸せだとか…何ソレ…
ウルは最強の魔導士だ…
あんな怪物ごときに勝てない筈ないだろ?」
「リオン、前にも言っただろ?上には上がいる」
「そんなのいない…」
「西の国に行けば、
私より強い魔導士は山程いる」
「ウルが最強だ。
じゃないとオレ…
何のために修行したのか…」
「私を超えた時は、
次なる高みの目標を
見つければ良いだろう?」
ウルはリオンにそう言うが、
リオンの耳には届いていなかった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 39人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ゆき | 作成日時：2023年3月24日 11時
