青い鳥�� ページ5
『あれが…
厄災の悪魔、デリオラ…』
Aは初めて見るデリオラの姿に、
恐怖で身体を震わせていた。
デリオラは口から炎を出すと、
その炎で町を焼き尽くしていた。
『む、無理だよ…
あんなの倒せる訳ないよ…』
「リオン!Aの側から絶対に離れるな!!」
ウルはそう言うと、
デリオラに向かって走り出した。
『ウル!!』
「悔しいけど、
オレ達が行ったら足手纏いになる…」
そう言ったリオンの身体は震えていた。
その時、
Aとリオンは
デリオラの攻撃に巻き込まれてしまった。
『ウ…ル…』
「くそ…ウル…」
Aとリオンは、
デリオラと対峙する
ウルの背中を見たのを最後に、
意識を手放した。
それから、数十分後――
額から血を流し
ボロボロになりながらも、
ウルはデリオラと対峙していた。
「まいったな。ここまで強いとは…」
「うわぁぁっ!!」
「グレイ!」
デリオラの攻撃によって
グレイは意識を失っていたが、
恐怖を思い出したかの様に
パニックになりながらグレイは目を覚ました。
それに気付いたウルは、
グレイを安心させる様に優しく抱きしめた。
「大丈夫。もう大丈夫だ」
「ウル…!?えっ…?何で…!!?」
「良いからAとリオンを連れて逃げろ…
庇いながらじゃ戦いづらくてしょうがない」
「Aとリオン…?」
「あぁ。
デリオラの攻撃に巻き込まれて、
2人ともダウンしてるがな」
「ひっ」
デリオラを見たグレイは尻餅をついた。
「早く行け!
さっさとコイツ片付けてやるからっ!!」
「な…何で…き…来たんだ…
オ…オレ…破門…だろ?」
「以前…
友人に自分の幸せについて、
考えろと言われたんだ。
そんなに不幸そうなツラしてる
覚えはないんだけどね」
ウルはそう言うと、
Aとリオンを担ぐグレイに微笑んだ。
「だってそうだろ?
可愛い弟子が3人もいて、
日に日に成長し賑やかな毎日。
私は十分幸せだ。
その幸せを取り戻すために来た」
『んっ…』
ウルがそう言うと、
Aが目を覚ました。
グレイは目覚めたAの身体を、
優しく地面に降ろした。
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作者名：ゆき | 作成日時：2023年3月24日 11時
