青い鳥�� ページ3
数日後、麓の町――
買い出しのため、
A達は町に来ていた。
「アンタんトコの弟子…
見ないうちに2人も増えたの?
あら、可愛い」
「グレイとAってんだ。
Aは勤勉だが、
グレイの方は反抗期で困るわ〜」
「3人とも、将来美男美女になりそうね。
Aちゃんって子、
とっても可愛いし娘として欲しいわぁ…
ねぇん、大きくなったら誰か頂戴よ」
「Aはダメだが、男2人ならやるよ。
毎日Aの取り合いをして、
うるさくてかなわん」
食料品を袋に詰める女性に、
ウルはリンゴを齧りながらそう言った。
「あんた、
子持ちに見られるから
男寄り付かないのかしらね〜」
「よけーなお世話」
ウルはそう言いながら女性に代金を支払った。
「ウルも良い歳なんだから、
そろそろ自分の幸せを
考えても良いんじゃないの?」
「はいはい…」
一方、その頃――
A、グレイ、リオンの3人は、
その後ろでウルの買い物が終わるまで
塀に座って大人しく待っていた。
「なぁグレイ、A。
オレ達はあとどれくらいで、
ウルを追い越せるかな?」
「興味がない」
冷たい口調で言ったグレイにAは苦笑した。
『ウルはとっても強いもんね!
私もいつかウルみたいな、
強い魔導士になりたいなぁ…』
「ウルがオレの目標なんだ。
いつかウルに勝つ事がオレの夢なんだ。
だから、
オレがいつか夢を叶える時…
Aが隣にいてくれると嬉しいな」
『うん!リオンならきっと出来るよ!!』
「オレはデリオラを倒せればそれで良い。
力さえ手に入れたら、
あのクソ女ともおさらばだ」
「だ〜れがクソ女だってコラァ!」
「ぐあっ」
A達の元へ戻ってきたウルは、
グレイの頭を叩いた。
「いつになったら強い魔法教えてくれんだよ」
「もう教えてるじゃないか」
「造形魔法の何処が強ェ魔法なんだよ!
こんなモン、何の役にも立ちゃしねぇ!!」
「言ってるだろう?
造形魔法は自由の魔法。
己の形を見つけた時、
それはいくらでも強くなる」
「ケッ…
同じ事を言ってんじゃねぇよ」
ウルが真剣な表情をしてそう言うと、
腑に落ちない様子ではあるものの
それ以上グレイは何も言わなかった。
「てか、何でこんな所で脱いでんのよ!!」
「なっ…!
お前のせいで変な癖ついた!!」
「私のせいかよ!!」
通行人に笑われて恥ずかしそうに
頬を赤くするグレイの耳に、
男性達のとある会話が入ってきた。
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作者名：ゆき | 作成日時：2023年3月24日 11時
