妖精の尻尾の姫_4章【FAIRYTAIL】 (ページ13)

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真実は悲しき氷の刃② ページ13

「『絶対氷結(ｱｲｽﾄﾞｼｪﾙ)!!?』」

「あいすどしぇる?」

驚愕の声を上げるAとリオンに対し、
ナツは首を傾けていた。

その時、
ナツはグレイとリオンの
言葉を思い出した。

"ウルはこの悪魔に、
　絶対氷結(ｱｲｽﾄﾞｼｪﾙ)っていう魔法をかけた"

"ウルが命をかけて封じた悪魔だ"

"聞いてないのか?ウルは既に死んでいる"

「!!」

「き、貴様…血迷ったか!?」

「今すぐ島の人の姿を元に戻せ…
　そして、仲間を連れて出ていけ。
　これはお前に与える最後のチャンスだ」

「なるほど、その魔法は脅しか…くだらん」

リオンはうっすらと笑みを浮かべてそう言った。

「悪いが本気だ」

グレイがそう言った瞬間、
凄まじい魔力と冷気と風が巻き起こった。

「くっ」

「ぬぉぉっ」

『きゃっ』

吹き荒れる風に
ナツは身体を吹き飛ばされたが、
Aとリオンは何とかその場に踏み止まった。

「コイツ…!うおぁっ!!」

グレイを阻止するために
リオンは右手に冷気を集中させていたが、
グレイから放たれる凄まじい魔力を前に
リオンは近付く事すら出来なかった。

『グレイ!!』

「この先何年経とうが…
　オレのせいで、
　ウルが死んだという事実は変わらねぇ。
　何処かで責任を取らなきゃいけなかったんだ」

グレイの言葉を聞いたA達は、
驚愕な表情でグレイを見つめていた。

「それをここにした。死ぬ覚悟はできている」

『そんなの駄目…』

Aはグレイの行動によって
込み上がる怒りをグレイにぶつけた。

『誰がそんな事を望むと思うの!!?』

「悪ィな、A。
　お前の大好きだった師匠を…
　オレが殺しちまった…」

『グレイが死んだって、
　ウルは生き返らないよ!!
　私達はウルの分まで生きなきゃ!!!!』

グレイを阻止するためにAは向かったが、
グレイから放たれる魔力によって
あと少しのところで身体を吹き飛ばされた。

『きゃっ!』

「A!!」

吹き飛ばされたAの身体は、
ナツによって抱き留められていた。

グレイから放たれる魔力に、
ナツですらその場を動けないでいた。

『ナツ…お願い…
　グレイを…止めて…』

「A、何なんだ?あの魔法は」

『あの魔法は
　"絶対氷結(ｱｲｽﾄﾞｼｪﾙ)"って言って、
　自らの肉体と引き換えに、
　対象者を氷に閉じ込める魔法なの。
　このままじゃ…グレイが!!』

「!!?」

それを聞いたナツは理解した。
グレイは自らを犠牲にして、
リオンの企みを止めるつもりなのだと――