青い鳥�� ページ1
グレイがウルに魔法を教わって、
1週間が経った頃――
ある日、
ウルは1人の少女を連れて帰ってきた。
「――という訳で、
今日から新たに加わったAだ。
2人とも仲良くしてやってくれ」
『A・フェリスです。
よ、宜しくお願いします!!』
Aはそう言って、
グレイとリオンに勢い良くお辞儀した。
「うわぁ…可愛い子だなぁ…
なぁ、グレイ」
「知るかよ」
「実はAは、
名前以外の事を
思い出せないらしいんだ」
「思い出せない?」
「記憶喪失って事か?」
『お母さんとお父さんが誰なのか、
何処に住んでいたのかも思い出せなくて…
行くあても居場所もない私は、
町の路地裏にいたんですけど…
ウルが私を見つけてくれたんです!』
Aはそう言うと、
ウルの方を見上げて笑った。
「こんな寒い町でよく生きてたな…
オレはリオン・バスティア。
宜しくな、A!
歳近いし敬語はいらないからな!!」
『うん!宜しくね、リオン!!』
「ほら、グレイも」
ウルに背中を押されたグレイは、
Aの目の前に立った。
「オレはグレイ・フルバスター。
…宜しく」
『宜しくね、グレイ!!』
翌日、雪山――
ウルに弟子入りしたAは、
3人とともに雪山に来ていた。
「まずは氷魔法の基礎からだ。
私の修行は厳しいぞ」
『うん!絶対に習得してみせる!!』
「その意気だ」
ウルがそう言うと、
3人はAの目の前で
服を脱いで下着姿になった。
『えっ!?3人とも…何してるの!!?』
「Aも上着を脱いで水着になれ」
『ねぇ、ウル…
グレイとリオンがいるのに、
恥ずかしくないの?』
「はんっ、ガキの前で下着になったくらいで。
だが…Aは水着じゃなきゃ駄目だ。
歳の近い異性の下着姿は、
コイツ等には刺激的すぎるからな」
ウルがそう言うと、
後ろにいたグレイとリオンは頬を赤くした。
「冷気を操りたくば、冷気と1つになれ。
まずはそこからだ」
『さ、寒い…』
「すぐに慣れるさ」
「てめぇも震えてんじゃねぇか!!」
「そう言うお前もな」
A同様に、
グレイとリオンの身体が
寒さで震えていた。
「来い、走るぞ」
『うん!!』
「数ある魔法の中でも、
造形魔法は"自由"の魔法だ。
造り出す形は十人十色――
術者の個性が最も出る魔法だ。
精進せよ。
そして、己の"形"を見つけ出せ」
それから、
A、グレイ、リオンの3人は
日々切磋琢磨しながら修行に取り組んだ。
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作者名：ゆき | 作成日時：2023年3月24日 11時
