妖精の尻尾の姫_3章【FAIRYTAIL】 (ページ47)

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囚われの姫③ ページ47

「妖精の尻尾(ﾌｪｱﾘｰﾃｲﾙ)め…
　なかなかやるな」

「これではデリオラの復活も、
　危ういかもしれませんな」

「今宵…月の魔力は全て注がれ、
　デリオラが復活する。

　しかし、
　月の雫(ﾑｰﾝﾄﾞﾘｯﾌﾟ)の儀式を
　邪魔されてしまえば、
　デリオラは氷の中です」

「くだらん…
　最初からオレが、
　手を下せば良かっただけの事」

「おおーん。面目ない」

「相手はあの火竜(ｻﾗﾏﾝﾀﾞｰ)と妖精女王(ﾃｨﾀｰﾆｱ)、
　そして…妖精姫ですぞ。
　まぁ、妖精姫はここにいますがな」

「相変わらず情報が早いな」

ザルディの言葉を聞いたAは耳を疑った。

『(エルザがガルナ島に来てる!!?
　私達が3人を連れて帰らなかったから…?)』

「だが、オレには勝てん。
　ウルをも超える氷の刃にはな」

「それはそれは、頼もしい限りですな。
　では…私めも久しぶりに参戦しますかな」

「お前も戦えたのかよっ!?」

「はい…"失われた魔法(ﾛｽﾄ･ﾏｼﾞｯｸ)"を少々」

『("失われた魔法(ﾛｽﾄ･ﾏｼﾞｯｸ)"…
　ナツと同じ魔法だ)』

「フン、不気味な奴だ」

ゴゴゴ――
突然地鳴りの様な音が響いた。
天井から砂が落ち、
遺跡全体がガタガタと揺れていた。

「地震!?」

「こ…これは!?」

「遺跡が崩れ…いや…傾いた!!」

「早速やってくれましたな」

『この魔力…』

「ほれ…下にいますぞ」

辺りを包む砂煙が晴れた後、
リオンとトビーが崩れた床の穴から覗いた。

「普段知らねぇうちに
　壊れてるって事はよくあっけど、
　壊そうと思ってやると結構大変なんだな」

「貴様…何のマネだ…」

「建物、曲がったろ?
　これで月の光は、
　地下の悪魔に当たんねぇぞ」

そこには、
遺跡を傾かせた張本人である
ナツの姿があった。

「何て事をしやがる…
　妖精の尻尾(ﾌｪｱﾘｰﾃｲﾙ)め…」

「ダメだ!!どうなったのか全然分かんね」

「この遺跡を傾かせたようですな」

頭を抱えるトビーにザルティが説明をした。

「遺跡を支える支柱を
　半分ほど破壊し傾かせた事で、
　月の光をデリオラまで
　届かせない作戦でしょう…
　見かけによらず、キレ者にございますな」

「ゴチャゴチャうるせぇよ!!」

『ナツ!!』

「A!無事みてーで良かった!!」

Aを見たナツは安心した様に笑った。