妖精の尻尾の姫_3章【FAIRYTAIL】 (ページ46)

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囚われの姫② ページ46

『(この魔力…
　何処かで感じた覚えが…)』

「私の名はザルティ」

Aがそう考えていると、
ザルティはAに名を名乗った。

『貴方もリオンの手下なの?』

「えぇ。
　お仲間の元へ戻りたい気持ちは分かりますが、
　零帝様から逃げたとなると…
　放ってはおけませんな」

ザルティはそう言うと、
不気味な笑みを浮かべながら
Aに向かって水晶玉を飛ばしてきた。

『はぁあっ!!』

それをAは回し蹴りで破壊した。

「魔法が使えない中、
　体術で対抗するとは…見事。
　ですが、私は物体の"時"を操れます」

『時を操れるなんて…あり得ない』

「では、水晶の時を
　"未来"へと進めてみましょうか?」

ザルティはそう言うと、
先程Aが破壊した水晶玉を直した。

『がはっ…』

再び飛んできた水晶玉がAの腹部に当たると、
Aはその場に倒れ込んだ。

『貴方…何者なの?』

「何者…と言われましても」

『デリオラは貴方達が運んだの!!?』

「おや?デリオラを知っているのですな」

『知ってるも何も…あの悪魔は!!』

「よっこらせ…と」

ザルティはAを肩を担ぐと、
何処かへ歩き出した。

「あなたは大切な存在だと、
　零帝様が言っておりました。

　だから、
　これ以上あなたを傷付けないためにも
　大人しくしてくだされ」

ザルティはリオンのいる部屋へ入ると、
玉座に足を組んで座っている
リオンの目の前にAを降ろした。

「ザルティ。よくやった」

「有難きお言葉…」

『もう逃げようとしないよ。
　魔封石の手錠をかけられちゃって、
　何も出来ないし』

「今はじっとして貰うのが良いでしょう」

「A、その手錠は
　オレがデリオラを倒した後に外してやろう」

『だから、氷を溶かそうとするのはやめて!!』

リオンはAの言葉を無視すると、
視線をトビーに向けた。

「情けない…残ったのはお前だけか」

「おおーん」

リオンの目の前には、
申し訳なさそうな表情をした
トビーが立っていた。