妖精の尻尾の姫_3章【FAIRYTAIL】 (ページ45)

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囚われの姫① ページ45

ガルナ島月の神殿――
リオンはAを連れて、
何処かへ歩いていた。

『ねぇ、リオン…
　これ外してくれないかな?』

自身の前を歩くリオンにAはそう言った。

Aの手首には
魔封石の手錠が付けられており、
魔力を封じられている事で魔法が使えなかった。

「駄目だ。
　拘束を解いたら、
　お前はグレイの所へ行くだろう」

『それは…』

すると、
リオンは立ち止まって振り返った。
Aは思わず肩をびくり、と揺らした。

「A、そんなに怯えなくても良い。
　少々手荒な行為だったが、
　オレはお前を迎えに来たんだ」

『私を…?』

「そうだ。
　恐怖とトラウマを植え付けたアイツに比べて、
　オレはAを幸せに出来る自信がある。
　A、オレの所に来ないか?」

『デリオラを復活させようとする
　今のリオンには、
　私はついて行けないよ』

Aがそう言うと、
リオンは悲しそうな表情をしていた。

『リオン、デリオラの事は諦め――
「なぁ、A。
　死んだ人間をどうやったら
　越える事が出来ると思う?」』

『まさか…!!』

「オレはウルを越えるために、
　デリオラを復活させ倒してみせる。
　そうすれば、ウルを越える事が出来るんだ」

『そんな事したらダメだよ!!』

Aは焦った表情をしながらリオンに言った。

「オレがウルを超える瞬間を、
　Aは隣で見届けてくれ」

『やめて!!あの氷は…ウルはまだ…』

「今のうちに
　グレイと妖精の尻尾(ﾌｪｱﾘｰﾃｲﾙ)の仲間達と、
　お別れをする準備をしておくんだな」

『リオン!!』

Aの言葉を聞いていないのか、
リオンは何処かへ行ってしまった。

『(とりあえず、みんなと合流しなきゃ…)』

Aは部屋を出ると、
遺跡の出口へ目指して走り出した。

『(それにしても、
　何であの3人は…
　リオンに手を貸してるの?)』

「初めまして、お姫様」

Aがそんな事を考えながら走っていると、
怪しげな仮面を付けた男性が立ち塞がった。