ルーシィの作戦�� ページ39
一方、その頃――
村に戻ったルーシィは、
村人達を集めて
遺跡で起こった事を説明していた。
「――という訳でね。
これから攻めてくる奴等は、
みんなをそんな姿にした犯人なのよ。
捕まえて元に戻す方法を聞くチャンスだわ」
それを聞いた村人達はザワつき始めた。
「捕まえるって言っても、
あの3人…多分魔導士だ。
簡単にはいかないよ」
「そうね…
こっちの方が人数が多いとはいえ…
魔導士は0」
「ルーシィは戦わないって設定なんだ!!」
すると、
ルーシィは何かを思いついた様に微笑んだ。
「良い作戦、思いついちゃった♪」
ルーシィはそう言うと、
閃いた作戦の準備に取り掛かった。
村人達がそれを見て再びザワついていると、
騒ぎを嗅ぎつけたモカが姿を現した。
「この騒ぎは何事かねっ!!ほがっ」
「村長」
「聞いてください。
もうすぐここに敵が攻めてきます」
「敵!?」
「そいつ等は森の遺跡に住みついてて、
みんなの身体をそんな姿にした
犯人達なんです」
「そんな事は聞いとらん!
月はまだ壊せんのかぁ!!」
「だ、だから…
もう月を壊す必要はないんだって…
犯人さえ捕まえれば…」
「月を…月を壊してくれぇぇえ!!」
「村長!落ち着いてください!!」
「ほがぁ!」
「さぁ…こっちへ…」
モカは村人達に取り押さえられると、
何処かへ連れて行かれた。
その光景を見ていたルーシィに、
村人の1人が声をかけた。
「気にしないでやって下さい。
やっぱりボボ…息子の事がありますから」
「えぇ」
「月さえなければ…ボボは!!」
「任せて。きっと上手く行くから」
それから、数分後――
ルーシィは自身の星霊のうちの1体である
バルゴを呼び出していた。
「姫。準備が整いました」
「ありがとうバルゴ。
流石に穴を掘るのは速いわね」
「お仕置きですか?」
「褒めてんのよ!」
その様子を見ていたハッピーは、
表情を変えずに言った。
「あのさー」
「何?ハッピー」
「オイラ、
やっぱりルーシィって
バカかもって本気で思うんだ」
「淡々とそんな事言われても…」
「こんな子供騙しな罠にかかるとは、
どうしても思えないよ」
「何言ってんのよ。
完璧な落とし穴じゃない」
ルーシィはそう言い返すと得意げに笑った。
「あい…その発想自体がバカかと…」
村の門を潜ったすぐの所に
バルゴお手製の大きな落とし穴があり、
藁の様なものでそれは隠されていた。
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作者名：ゆき | 作成日時：2023年3月20日 14時
