月の雫�� ページ31
それから、数時間後――
A達が
仮眠などで時間を潰していると、
地鳴りの様な音が響いた。
「何の音?」
「夜か!」
『天井が…!!』
A達が天井を見ていると
大きな音を立てて天井が開き始め、
紫の光がデリオラに当たっていた。
「開いた!」
「紫の光…月の光か!?」
「何だこれ!どうなってんだーっ!!」
「月の光がデリオラに当たってる!」
「偶然なんかじゃねぇぞ…コリャ」
『行こう!光の元を探そう!!』
「おう!」
Aが先頭を走り、
次々と階段を上がっていった。
すると、先程ナツが
床を壊した場所に辿り着いた。
「この遺跡の真ん中には穴が開いてたのか!!」
『もっと上だよ!!』
A達は更に階段を上がると、
遺跡の最上階に辿り着いた。
ガルナ島 月の神殿 最上階――
「何だアレ」
「しっ」
そこには、
覆面をした怪しげな人物達が
奇妙な呪文を唱えながら
月の光を囲んでいた。
「クーベラ〜…クーラカ〜…
ジェラム…セム…ディオルーナ…
クーベラ〜…クーラカ〜… 」
「月!?
本当に月の光を集めてんのか、コイツ等!!」
「それをデリオラに当てて…!?どうする気!!?」
「ベリア語の呪文…
"月の雫(ﾑｰﾝﾄﾞﾘｯﾌﾟ)"ね」
ルーシィの星霊であるリラが、
奇妙な呪文を聞いてそう呟いた。
「アンタ…まだいたの?」
「そっか、そういう事なのね…
こいつ等は"月の雫(ﾑｰﾝﾄﾞﾘｯﾌﾟ)"を使って、
あの地下の悪魔を復活させる気なのよ!!」
『そんな事、出来る訳…』
「絶対氷結(ｱｲｽﾄﾞｼｪﾙ)は、
絶対に溶けない氷なんだぞ」
「その氷を溶かす魔法が、
"月の雫(ﾑｰﾝﾄﾞﾘｯﾌﾟ)"なのよ。
1つに集束された月の魔力は、
如何なる魔法をも解除する力を持ってるの」
「そんな…」
「アイツ等…
デリオラの恐ろしさを知らねぇんだ!!」
「アイツ等ァ…」
「待って!誰か来たわ!!」
「うごっ」
ルーシィはそう言って
今にも飛び出しそうなナツを止め、
A達は近くの岩陰に姿を隠した。
するとそこに、
昼間に遺跡の地下へやって来た3人と
仮面をつけた1人の男性が姿を現した。
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作者名：ゆき | 作成日時：2023年3月20日 14時
