2階�� ページ4
「オレが最強って事さ」
「降りてこい!!コノヤロウ!!!」
「お前が上がってこい」
「上等だ!!!!」
ナツがラクサスの挑発に乗ると、
2階への階段に目掛けて走り出した。
それを見たマカロフは、
ドンッ――
「ぐおっ!!」
魔法で自身の腕を伸ばしてナツを素早く止めた。
ナツの身体の上には、
マカロフの大きな手が乗っていた。
「2階には上がってはならん…まだな」
「ははっ!!怒られてやんの」
「ふぬぅ…」
「ラクサスもよさんか」
「妖精の尻尾(ﾌｪｱﾘｰﾃｲﾙ)
最強の座は誰にも渡さねぇよ。
エルザにもミストガンにもAにも…
そして、"あのオヤジ"にもな。
オレが…最強だ!!!!」
ラクサスはそう言うと、
2階の奥の部屋に姿を消した。
ギルド内は
暫く緊迫とした空気に包まれたが、
すぐにいつもの賑やかさを取り戻した。
『グレイごめんね。
ちょっと行ってくるね』
「あぁ…あんまり長くなるなよ」
『うん、すぐ戻ってくるね』
グレイの隣に座って紅茶を飲んでいたAは、
そう言い残すと2階に伸びる階段を上った。
「さっきマスターが言ってたでしょ?
2階には上がっちゃいけないって
どういう意味ですか?」
「ルーシィにはまだ早い話だけどね。
2階の依頼板(ﾘｸｴｽﾄﾎﾞｰﾄﾞ)には、
1階とは比べものにならないくらい
難しい仕事が貼ってあるの。
それが…S級のクエスト」
「S級!!?」
「一瞬の判断ミスが
死を招く様な危険な仕事よ。
その分、報酬も良いけどね」
「うわぁ…」
「S級の仕事は、
マスターに認められた
魔導士しか受けられないの。
資格があるのは、
エルザ､ラクサス､ミストガン…
それに、Aも含めて
まだ6人しかいないのよ」
「AもS級魔導士だったんだ!!
そういえば、
アンタはAと行った事あるの?」
「前に少しな。
今はルールが変わって、
S級クエストは一緒に行く奴も
S級魔導士じゃねぇと行けねーんだ」
「S級なんて目指すものじゃないわよ。
本当に命がいくつあっても、
足りない仕事ばっかりなんだから」
そう言ったミラは一瞬悲しそうな顔をした。
「S級クエストって、
そんなに危険な仕事なのね…」
「別にS級だけが
魔導士の目指す目標じゃねぇよ。
自分に合った仕事で、
誰かの役に立つ方がオレは良いと思うぜ?」
「そうよね!
あたしはあたしらしく、
やれる事を頑張れば良いよね!!」
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作者名：ゆき | 作成日時：2023年3月20日 14時
