デリオラ�� ページ24
ガルナ島 月の神殿 地下――
Aは衝撃に備えて
目を閉じていたが、
いつまで経っても来ない事に
疑問を覚えて目を開けた。
「いってぇ…
A、大丈夫か?」
グレイはAを守る様に抱き締めていた。
『グレイありがとう!
私は平気だけど、グレイは大丈夫?』
「何とかな…」
Aは手を差し伸べて、
グレイを立たせた。
「オイ…みんな大丈夫か?」
「ハッピーがやばい!!別の原因で」
「てめェ!!
何でいっつも
後先考えねぇで行動しやがる!!!」
「ねぇ…ここ…何処なの?」
『さっきの遺跡の地下みたい…』
「せっかくだから、
ちょっと探険しよーぜ!!」
「オイ!これ以上暴れまわるんじゃねぇ!!」
「うおおおっ!!…お?」
グレイの言葉を無視して
ナツは遺跡地下の奥へ進んでいたが、
突然ナツは立ち止まって目を見開いていた。
「ナツ?」
『ナツ、どうしたの?』
「何だ…こりゃ…」
「「「『!!?』」」」
A達もナツの視線の先を見ると、
先程の巨大ネズミよりも
遥かに大きい怪物が凍っていた。
「デリオラ!!?」
『何で…』
Aは恐怖で立っていられず、
膝から崩れ落ちる様にその場に座り込んだ。
「「A!!」」
「A!!大丈夫!!?」
ナツ達が心配してAに声をかけるが、
今のAには返事をする余裕がなかった。
「あり得ねぇ!
こんな所にある訳がねぇんだ!!
あれは…!あれはっ!!」
「ちょっと…!
グレイ落ち着いて!!」
「グレイ?」
「ねぇ、この怪物…何なの?」
ようやく落ち着いたグレイは、
身体を震わせながら怪物の方に視線を向けた。
「デリオラ…厄災の悪魔だ」
「「「厄災の悪魔…?」」」
「A…立てるか?」
グレイがAに声をかけるが、
未だに身体を震わせている
Aは首を横に振った。
すると、
グレイはAを横抱きにした。
『グレ――
「何も言わなくて良い。
あの時の姿のままだ…どうなってやがる…」』
カツ――カツ――
すると突然、
誰かの足音が聞こえてきた。
「しっ、誰か来たわ!
ひとまず隠れましょ!!」
「何で?」
「良いから!!」
A達は近くの岩陰に姿を隠した。
グレイに背中をさすられた事で、
Aは少し落ち着きを取り戻していた。
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作者名：ゆき | 作成日時：2023年3月20日 14時
