島の調査�� ページ22
「ん?」
「何だ?」
『こっちに近付いて来てる…』
A達が立ち止まって、
辺りを見渡していると――
「チュー」
A達の身長をゆうに超える程の、
巨大なネズミが目の前に現れた。
「ネズミ!?」
「でかーっ!!」
『何を食べたら、
あんなに大きくなるんだろう…?』
「感心してる場合じゃねぇ!!」
巨大ネズミを見てそう言ったAに、
思わずグレイはツッコんだ。
巨大ネズミは大きさの他にも、
普通のネズミと大きく異なる点があった。
それは、服を着ている事だった。
巨大ネズミは、
ピンク色のフリルが付いた
黒色のキャミソールを着ていた。
「【アンタ達、早くやっつけて!!】
と申しております。」
「【あい】と申しております。」
すると、
巨大ネズミは頬を膨らませて
何かを繰り出そうとしていた。
「何か吐き出す気だぞ!!」
「A!下がってろ!!
オレのアイスメイク盾(ｼｰﾙﾄﾞ)で…」
「ぷはァ〜っ!!」
しかし、
グレイが造形魔法を繰り出すより早く
ネズミが息を吐いた。
「んがっ!!」
「もげっ!!」
『うﾞっ!!』
ネズミが吐き出した息は、
この世のものとは思えない程の異臭だった。
「【ちょっと!!3人ともどうしたの!!?】
と申し…んがっ!!」
あまりの異臭にホロロギウムはその場で倒れ、
中に入っていたルーシィとハッピーが
外へと放り出された。
「きゃー!!」
「くさーっ!!」
「…」
「ナツ!情けねぇぞ!!」
「ナツは鼻が良いからね」
『ナツ!しっかり!!』
A達の何倍もの嗅覚を持つナツは、
うつ伏せになって倒れていた。
「逃げろーっ!!」
「ひぃぃいっ!!」
A達は巨大ネズミから
逃れるために走り出したが、
巨大ネズミは逃がさないという様に
A達を追いかけ回した。
「ちっ…
アイスメイク…床(ﾌﾛｱ)!!」
グレイが地面に手をついて魔法を繰り出すと
巨大ネズミの足元の地面が凍っていき、
見事に巨大ネズミは滑って転んだ。
「最初からそれやれよ!!」
「文句言うな!!」
『グレイありがとう!!』
「あ!見て!!何か建物があるわ!!!」
『今のうちにあそこに入ろう!!』
｢｢今のうちにボコるんだ!!｣｣
Aとルーシィがそう言って振り返ったが、
ナツとグレイは先程の仕返しという様に
巨大ネズミを殴っていた。
『こういう時は息ピッタリだね…』
ナツとグレイの気が済んだ後、
A達はルーシィが見つけた建物の中へ入った。
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作者名：ゆき | 作成日時：2023年3月20日 14時
