妖精の尻尾の姫_3章【FAIRYTAIL】 (ページ3)

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2階③ ページ3

「こ、この感じは…
　ミストガンか!!?」

「あんにゃろォ!!」

「相変わらず凄く強力な眠りの魔法だね」

「ミストガン?」

ミストガンの名前を
呟いたルーシィは首を傾けた。

『妖精の尻尾(ﾌｪｱﾘｰﾃｲﾙ)
　最強の男候補の1人だよ!!』

「えっ!?」

「どういう訳か、
　誰にも姿を見られたくないらしくてな。
　仕事を取る時はいつもこうやって
　全員を眠らせちまうのさ」

「何それっ!怪しすぎ!!」

「だけどな…」

『私は全然平気なの』

「はいぃ!!?」

Aの言葉にルーシィがとても驚いていた。

「A、今回も眠らなかったのか?」

『うん!!』

「な、何で!!?」

『何でなんだろうね…?』

「とりあえず、
　じーさんとA以外
　誰もミストガンの顔を知らねぇんだ」

『正確には、私もミストガンの顔を――
「いんや…オレは知ってっぞ」』

Aの言葉に被せる様に、
突然ギルドの2階から男性の声でそう言った。

ギルドのメンバー達は、
男性の声がした方向に視線を向けた。

「ラクサス!!」

「いたのか!!?」

「珍しいな!!」

普段からギルドに顔を出さないラクサスが、
ギルドに姿を現しているのは珍しかった。

少なくとも"2階"に上がれる魔導士達は、
エルザやミストガンを含め
仕事から帰って来ない事が殆どだった。

「あの人は?」

「…もう1人の最強候補だ」

「えっ!!?」

グレイは不機嫌そうな声でそう答えると、
再びラクサスに目線を戻した。

「ミストガンはシャイなんだ。
　あんまり詮索してやるな」

ミストガンの魔法が
解けた後も眠っていたナツは、
ラクサスの声を聞いた途端に飛び起き上がった。

「ラクサスー!オレと勝負しろー!!」

「さっき、
　エルザにやられたばっかじゃねぇか…」

「そうそう。
　エルザ如きに勝てねぇようじゃ、
　オレには勝てねぇよ」

「それはどういう意味だ」

「落ち着けよエルザ…」

怒りで身体を震わせているエルザを
グレイが宥めていたが、
ラクサスはそれを気に止めていなかった。