呪われた島�� ページ17
「うっ!うう〜!!」
「うがぁぁー!!」
村人達は苦しみで呻き声を上げた。
「えっ?な、何!?
やだ…どうしちゃったの!!?」
「何てこった…」
村人達の呻き声が止むと、
そこには先程までの村人達はいなかった。
村人達は悪魔の様な姿に変貌していたのだった。
その姿に人間だった面影が見られず、
A達は目を見開いて驚いていた。
「驚かして申し訳ない…
紫の月が出ている間…
ワシ等はこの様な
醜い悪魔の姿へと変わってしまう。
これを呪いと言わず…
何と言えばよいのでしょうか?」
「ひっく…ひっく…」
「大丈夫…大丈夫よ」
「うぅ…」
「うっ…」
村人の何人かは、
変わり果てた自身の姿に泣き出してしまった。
『(村の人達が月の光を浴びて悪魔に…
でも、本当にそれは呪いなのかな?)』
「朝になれば皆…元の姿に戻ります…
しかし…
中には元に戻れず、
心まで失ってしまう者が出てきたのです」
「そんな…」
「心を失い魔物と化してしまった者は、
殺す事に決めたのです」
「元に戻るかもしれねぇのにか!!?」
「放っておけば皆がその魔物に殺される…ほが。
幽閉しても牢など壊してしまうのです」
モカはそう言うと、
懐から1枚の写真を取り出してA達に見せた。
「だから…ワシも息子を殺しました…
心まで悪魔になってしまった息子を…」
その写真に写っていたのは、
A達を船で運んでくれた
船乗りの男性であるボボだった。
『えっ…』
「その人…えぇ!!?
でも…あたし達、昨日――「しっ」」
ルーシィが何か言う前にグレイが止めた。
「ようやく消えちまった理由が分かった。
そりゃあ…うかばれねぇわな」
「(幽霊…!!?)」
「さぞ高名な魔導士方とお見受けします。
どうか、この島を救ってください…」
モカが目に涙を溜めながら
A達に頭を下げた後、
つられる様に村人達も頭を下げた。
「このままでは全員…心が奪われ…悪魔に…」
「そんな事にはならねぇっ!!!!」
「ワシ等の呪いを解く方法はただ1つ…
"月を破壊"してください」
「「「「『えっ!?』」」」」
モカの依頼内容は、
あまりにも無理難題なものだった。
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作者名：ゆき | 作成日時：2023年3月20日 14時
