妖精の尻尾の姫_3章【FAIRYTAIL】 (ページ12)

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ガルナ島へ④ ページ12

『ナツはさっき、
　"エルザを見返すんだ"
　って言ったよね?

　今回のS級クエストをもし成功させても、
　エルザを見返す事は出来ないと思うよ。
　寧ろその逆…エルザを失望させちゃうよ』

「なっ…」

Aは冷たくナツに言い放った。
ルーシィとハッピーは、
普段のAからは想像出来ない程の
冷たい対応をするAに驚いて声が出なかった。

『ナツがエルザに勝負しろって言った時、
　エルザはナツに期待してた。
　私も年々強くなるナツに期待してたんだよ。
　
　でも…その結果がこれなの?
　勝手にS級クエストへ行って、
　エルザを見返すんだって…
　ナツは本気で言ってるの?』

Aの言葉にナツは何も言い返せなかった。
冷たく発するAの言葉がナツに鋭く刺さった。

『ルーシィとハッピーも、
　S級クエストは
　命がいくらあっても足りないくらい
　危険な仕事だって分かってるよね?
　
　それに…
　ナツ達が今しようとしている事は、
　沢山の努力を重ねて
　念願のS級魔導士になった
　私達全員を侮辱した行為だよ』

「ごめん」

「ごめんなさい…」

「ごめんね」

『…分かったなら良いよ』

すると、
Aはナツを抱き締めて
ナツだけにしか聞こえない様に耳元で呟いた。

『それに、
　"リサーナ"みたいに
　ナツが戻って来なかったらって思うと…私…』

「A…」

今にでも泣き出しそうな声色をしているAを
ナツは優しく抱き締め返した。

「大丈夫だ、オレは絶対に死なねぇよ。
　…約束する」

『うん…
　ナツ、ハッピー、ルーシィ
　厳しい事ばかり言ってごめんね』

「Aはあたし達の事を
　心配してくれてたんだから気にしないで!!」

「あい!」

「A!もう気にすんな!!」

『うん、ありがとう3人とも…
　ナツ、約束守ってね』

「おう!
　んじゃ、行こう!!
　S級の島へ出発だ!!!!」

こうして、
Aとグレイも巻き込んだ
S級クエストが始まったのだった。