妖精の尻尾の姫_11章【FAIRYTAIL】 (ページ10)

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涙を揮って馬謖を斬る③ ページ10

「奥の医務室だ」

「オイ!エルザ!!」

医務室へ向かうラクサスとすれ違う際、
エルザはラクサスに向かって小さく呟いた。

「Aも医務室にいる」

それを聞いたラクサスは一瞬足を止めたが、
何事もなかったかの様に再び歩き出した。

「んぐぁーっ!ふぁぐあぐー!!」

ナツはラクサスの前に立ちはだかると、
何かを発しながらラクサスを指差したのだった。

「ナツ」

「ぎがんでんなんどはなﾞじらばん!!」

「な、何て言ってるの…?」

「2対1でこんなんじゃ話にならねぇ。
　次こそはぜってー負けねぇ。
　いつかもう一度勝負しろラクサス!!…だとよ」

「次こそは負けない…って、
　勝ったんでしょ?一応」

「オレもアレは勝ちとは言いたくねぇ…
　アイツはバケモンだ。
　ファントム戦に参加してたらと
　思うとゾっとするぜ…」

ラクサスはそれを聞いた後、
ナツを無視するかの様に横を通り過ぎた。

「ふぁぐぁぐ(ﾗｸｻｽ)!!」

ナツがラクサスの名前を叫ぶと、
ラクサスは何も言わず右手を挙げた。

返事はそれだけだったが、
それを見たナツは嬉しそうな表情をしていた。

「さぁ皆、幻想曲(ﾌｧﾝﾀｼﾞｱ)の準備をするぞ」

「オイ!良いのかよ!?
　ラクサスを行かせちまって」
　
「大丈夫よ、きっと」
　
「てかミラちゃん!
　何で怪我してんだよ!?
　誰にやられたの!!?」

「ナツ…
　お前ラクサスより、
　酷ェ怪我ってどういう事よ」

「んがごがー!」

「こんなの何ともねーよ…だとよ」

「ナツー血ィ!血出てる!!」

エルザの言葉を皮切りに、
ギルド内はいつもの騒がしさを
取り戻していたのだった。