妖精の尻尾の姫_11章【FAIRYTAIL】 (ページ9)

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涙を揮って馬謖を斬る② ページ9

「…だね」

「ふぁがふんごが!
　あげがあんがぐぐ!!」

「何言ってるか分かんないし」

口まで包帯を巻かれた
ナツは何かを訴えていたが、
ルーシィには伝わらなかった。

「無理だね。
　参加出来る訳ねぇだろ、クズが」

「おがえがべおごおご…」

「それは関係ねぇだろ」

何故かガジルだけは、
ナツが必死に発する言葉を聞き取れていた。

「何で通じてるのかしら…」

「そういえば、
　Aは何処にいるんだい?」

カナはAの行方をグレイに尋ねた。

「Aならさっき無理矢理休ませた。
　今は医務室で寝てる筈だ」

「Aったら、
　魔力をまだ完全に
　取り戻してない状態なのに、
　みんなをずっと治療してたのよ?」

「Aらしいけれどな。
　でも、まぁこれで…
　ギルド内のごたごたも一旦片付いた訳だ」

エルザは笑みを浮かべながらそう言うと、
ギルド内を見渡していたのだった。

エルザの目に映ったのは、
いつもの調子で仲良く騒いでいる
ギルドのメンバー達の姿だった。

するとその時、
ギルドに1人の人物がやって来た。

「!!」

ギルドにやって来たその人物を見た瞬間、
ギルドのメンバー達から笑みが消えて
険しい表情に変わったのだった。

「ラクサス!!」

「お前…!!」

その人物はラクサスだった。
ナツとガジル程の怪我を負ってはいないが、
頭と胸に包帯を巻いていたのだった。

「ジジィは?」

ラクサスは表情を変えずに尋ねたが、
その問いに誰も答えなかった。

「テメェ…
　どのツラ下げて、
　マスターに会いに来やがった!!」

「そーだそーだ!!」

「よさないか」

するとそこに、
エルザが割って入ったのだった。