妖精の尻尾の姫_11章【FAIRYTAIL】 (ページ8)

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涙を揮って馬謖を斬る① ページ8

翌日――
マグノリアの街は、
収穫祭ムード一色に染まっていた。

「幻想曲(ﾌｧﾝﾀｼﾞｱ)は
　明日の夜に延期だってよ」

「何があったんだ?」

「昨日はギルドの奴等が騒がしかったからな」

「噂じゃ、マスターの容態がよくねぇらしいぞ」

「オイオイ、
　まさかあのじーさん引退しちまうんじゃ…」

「次のマスターはどうすんだよ」

「そこまでは分からねぇけど、
　普通に考えればラクサスじゃねぇのか?」

「あの暴れん坊がマスターねぇ」

「なんか感慨深いものがあるな」

「アイツがガキだった頃から知ってんもんな」

「うちらも歳を取ったって事だ!!」

「「「はははっ!!」」」

町民達の談笑を聞いていたポーリュシカは、
背を向けて何処かへ歩き出した。

妖精の尻尾(ﾌｪｱﾘｰﾃｲﾙ) ギルド内――

「ポーリュシカさんのお陰で
　一命は取り留めたそうだ。
　安心してくれ、マスターは無事だ」

≪オォォォォ!!≫

それを聞いたギルドのメンバー達は、
喜びで雄叫びを上げていた。

「良かったぁ!
　一時はどうなるかと思ったけど」

「あのじーさんが
　そう簡単にくたばる訳ねぇんだ」

「しかしマスターもお歳だ。
　これ以上心労を重ねれば、
　またお身体を悪くする…
　皆もその事を忘れるな」

「こんな状況で、
　本当に幻想曲(ﾌｧﾝﾀｼﾞｱ)やるつもりなのか!?」

「マスターの意向だし…
　こんな状況だから、って考えもあるわよ」

エルフマンの問いにミラが答えた。

「ジュビアも幻想曲(ﾌｧﾝﾀｼﾞｱ)観るの楽しみです」

「アンタは参加する側よ」

幻想曲(ﾌｧﾝﾀｼﾞｱ)を
観るつもりでいたジュビアは、
カナの発言に驚きを隠せずにいた。

「えぇ!?
　だってジュビア、
　入ったばかりだし…」

「怪我人多いからね。
　殆どAが治してくれたけど、
　安静にしなきゃいけない人もいるから
　マトモに動ける人は全員参加だって」

「プーン」

「じゃあ、あたしも!?
　Aが歌う姿を、
　観客席から見たかったなぁ…」

「見ろよ。あんなの参加できねぇだろ」

グレイがそう言って指差した先には、
全身に包帯を巻いたナツとガジルがいた。