妖精の尻尾の姫_11章【FAIRYTAIL】 (ページ44)

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連合軍、集結!⑤ ページ44

「もっと…もっと私に、
　あなたの香り(ﾊﾟﾙﾌｧﾑ)を!!」

「く…来るな!斬るぞ!!」

そして一夜は、
エルザを匂いを嗅ぐために近付き――

「リオン」

「グレイ」

『ちょっと!2人とも…!!』

グレイとリオンは、
Aを間に挟んで睨み合い――

「かかってこいやー!!」

挑発するナツに対して、
トライメンズは不穏な雰囲気を
醸し出しており――

「あなたは愛せない」

「あたしも嫌いよっ!!」

シェリーとルーシィの間にも、
険悪な雰囲気が漂っていたのだった。

連合を組む筈の3つのギルドが、
一触触発しそうになったその時――

「やめい!!」

男性の野太い声が、
建物内に響いたのだった。

「ワシらは連合を組み、
　六魔将軍(ｵﾗｼｵﾝｾｲｽ)を倒すのだ。
　仲間うちで争ってる場合か」

「ジュラさん」

喜色を浮かべながら
リオンが男性の名前を呟いた瞬間、
その場の雰囲気が変わった。

「ジュラ!?」

「こいつがあの…」

「ラミアのエース…岩鉄のジュラ」

「誰だ?」

「聖十大魔道の1人だよ!!」

『あのジュラさんと一緒に戦えるの!?』

「嬉しそうにするAも可愛いな…」

「少しは緊張感持てよ!!」

目を輝かせながら
ジュラを見つめるAに
リオンが見惚れている状況の中、
グレイがツッコミを入れたのだった。

「ジュラ…あたしでも聞いた事ある名前だ…」

「妖精は5人、ペガサスは4人でしたね。
　私達は3人で十分ですわ」

「むぅぅ～…」

「これで3つのギルドが揃った。
　残るは化猫の宿(ｹｯﾄ･ｼｪﾙﾀｰ)の連中のみだ」

シェリーの嫌味にルーシィが唸っていると、
ジュラが口を開いたのだった。

「確か、化猫の宿(ｹｯﾄ･ｼｪﾙﾀｰ)は
　1人だけだと聞いてまぁす」

『1人!?』

「こんな危ねー作戦に、
　たった1人だけをよこすってのか!!?」

「ちょ…ちょっと…
　どんだけヤバい奴が来るのよぉ～」

「きゃあっ」

一夜の発言にA達が驚愕していると、
屋敷の入口付近で誰かが転んでいたのだった。

「痛ぁ…
　あ、あの…遅れてごめんなさい。
　化猫の宿(ｹｯﾄ･ｼｪﾙﾀｰ)から来たウェンディです。
　宜しくお願いします!!」

「子供!?」

「女!?」

そこには、
緊張した面持ちで自己紹介する
可愛らしい少女がいた。

「『ウェンディ?』」

その名前に聞き覚えがあるのか、
Aとナツは少女の名前を
小さく呟いたのだった。