妖精の尻尾の姫_11章【FAIRYTAIL】 (ページ36)

今日:13 hit、昨日:31 hit、合計:20,891 hit

妖精達のご奉仕③ ページ36

「うむ。
　ズーク…いや、
　ズラールだったかの」

「ジェラールです」

「そう!
　そのズラールとウルティアの裏切りで、
　大変な失態(ｽｯﾀｲ)をスたからねぇ。
　今は新生(ｽﾝｾｲ)魔法評議会を立ち上げるべく、
　各方面に根回ススとるみたいよ」

『評議員が辞めていっているのは、
　その一貫って事ですか?』
　
「そういう事だねぇ」

楽園の塔で起こった事件以降、
ヤジマの様に数名の評議員が退いたのだった。

「君達にも本当に迷惑をかけたね。
　申ス訳ないよ」

「いえ…ヤジマさんは、
　最後までエーテリオン投下に
　反対されていたと聞きました。
　行動を恥じて引退など…」

「ワスには政治は向かんよ。
　やはり…料理人の方が楽スいわい」

ヤジマはそう言って魔法でフライパンを出すと、
慣れた手つきでひっくり返したのだった。

「ところでナツくん、グレイくん」

「「!!」」

すると突然、
ヤジマは話の矛先を
ナツとグレイに変えたのだった。

「これから評議院は新しくなる。
　ワスはもういない。
　妖精の尻尾(ﾌｪｱﾘｰﾃｲﾙ)を
　弁護スる者はいなくなる…
　その事をよーく考えて行動スなさい」

「「行動スます」」

「それじゃ、
　マー坊によろスくな」

『今日はありがとうございました!!』

ヤジマはギルドへ帰るA達を見送ると、
その場で空を見上げたのだった。

「(ウルティア…か。
　今は何処におるのかのう…)」

???――
上空に巨大な戦艦の様な乗り物が飛んでおり、
その中には1人の女性がいた。

「六魔将軍(ｵﾗｼｵﾝｾｲｽ)が?そう…動くのね…
　どうなさいます?マスターハデス」

その女性の名前はウルティア。
かつては評議員の1人であったが、
現在は闇ギルド、
悪魔の心臓(ｸﾞﾘﾓｱﾊｰﾄ)の一員である。

「放っておけ」

マスターハデスと呼ばれた男性は、
ゆっくりと口を開いたのだった。

「奴等が動けば、
　"表"の者どもも黙っていまい。

　我々はその隙に、
　ゼレフの封印を解く鍵を見つけるのだ。

　あわよくば、
　邪魔なギルドを
　いくつか消してくれる事を願おう」

「妖精の尻尾(ﾌｪｱﾘｰﾃｲﾙ)…とか?」

その言葉を聞いた瞬間、
ハデスの口角が上がったのだった。