妖精の尻尾の姫_11章【FAIRYTAIL】 (ページ32)

今日:46 hit、昨日:31 hit、合計:20,924 hit

LOVE&LUCKY② ページ32

「おや、君もいたのか…」

『こ、こんにちは…』
　
ジュードはAを見た瞬間、
気まずそうに視線を逸らしたが
すぐにAを見つめた。
　
「その…昨日は君にも、
　恥ずかしい姿を見せてしまったね…
　本当に申し訳ない」
　
ジュードはそう言って、
Aに深々と頭を下げたのだった。
　
『私はジュードさんがルーシィの事を、
　ちゃんと見てくれれば十分です』
　
「そうか…ありがとう。
　Aさん、君には感謝をしている。
　今まで君が娘を支えてくれたのだろう?
　本当にありがとう…」
　
今度は感謝の言葉を述べながら、
再びジュードは深々と頭を下げた。

『それは当たり前の事ですから!
　お互いを支え合うのが私達のギルドなので!!』

「あたし…」
　
ルーシィが何かを言いかけたその時――

「A!ルーシィ!無事かーっ!!」

「どうした一体!!」

「A!ルーシィ!」
　
こちらに向かって、
ナツ達が走って来たのだった。

「『えぇっー!!?』」

「まさかこれをお前達2人だけで解決したのか?」
　
「いや、その…」
　
どう説明するか悩んでいたルーシィは、
後方にいるジュードに視線を向けた。

ジュードは笑みを浮かべたまま、
無言でコクッ、と頷いた。

「(元気でね。お父さん)」

それを見たルーシィは、
右手を振ってジュードに別れを告げて
ナツ達の元へ向かった。
　
それを見届けたAも、
ナツ達の元へ向かおうとしたその時――

「Aさん…ちょっと良いかな」
　
ジュードに呼び止められたのだった。
　
『どうかしましたか?』
　
「これからも娘を…ルーシィを頼む」
　
『当然です!
　次会う時はルーシィと
　ゆっくり話せると良いですね』

「あぁ、その時が来るのを楽しみにしているよ」
　
そうしてAも、
ナツ達の元に向かったのだった。

「どうしたんだよ急にー!!」

「何でもないの!」

「何でもねー訳ねぇだろ!!
　つーかA、何でお前まで行ったんだよ」

『ちょっといろいろあってね〜』

「そう言われると気になるな…
　後で私にこっそり教えてくれないか?」

「急に2人が何処かに行ったから、
　仕事キャンセルしちゃったんだよ」
　
「『ごめんね〜』」
　
「レイラ…私は本当に愚かだったよ」
　
ジュードはルーシィを見つめながら、
今は亡き妻の名前を呟いた。
　
「良い友達を持ったな…ルーシィ」

そう言ってルーシィからAへ視線を移した後、
ジュードは優しい笑みを浮かべていたのだった。