妖精の尻尾の姫_11章【FAIRYTAIL】 (ページ31)

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LOVE&LUCKY① ページ31

『やったね!ルーシィ!!』
　
「Aがいてくれたからよ!!」

Aとルーシィはそう言った後、
笑みを浮かべながらハイタッチをした。
　
「そうだ!お父さん!!」

ルーシィは辺りを見渡していたが、
ジュードらしき人物は見当たらなかった。

「ありがとう!君達ーっ!!」

「助かったよーっ!!」

「い、いえ…」

「凄いね!魔法!!」

「私達からも礼を言わせてもらいます」

しかし、
Aとルーシィの周りに
LOVE＆LUCKYの魔導士と兵達が集まって、
身動きが取りづらくなってしまっていた。
　
『私が相手するから、
　ルーシィはジュードさんを探して!!』
　
「…ごめんね!A!!」
　
ルーシィはAの言葉に甘えて、
その場から抜け出したのだった。

「Aさんですよね!?サインください!!」
　
「本物だー!!」

「さっきの魔法、
　もう1回見せてくれませんか!?」

「大天使Aエルだ…
　あ、握手してください!!」

『お、押さないでください!
　順番に話を聞きますから!!』

それから、数分後――
何とかその場から離れる事が出来たAは、
ルーシィを探して駆け回っていた。

『(ルーシィ、何処にいるの!?
　それに…ルーシィのお父さんは無事なの!!?)』

するとその時、
聞き覚えのある声が
背後から聞こえて来たのだった。

「私はこれから変わる。
　お金がなくてもここまで辿り着けたんだ。
　きっと…何でも出来る」

Aが振り返った先には、
ジュードとそれに背を向けるルーシィがいた。
　
『(良かった…
　無事に会えたんだね)』

「このギルドはね…
　パパとママが出会った場所なんだ。
　私が独立を考えてる時に、
　丁度ママのお腹に君がいてね…」

その頃を懐かしむかの様に、
ジュードは目を細めながら話を続けた。

「2人でギルドをやめる事にしたんだけど、
　その時ギルドの看板が壊れてて
　LUCKY(ﾗｯｷｰ)が"LUCY(ﾙｰｼｨ)"に
　なっていたんだ。

　それがおかしくてね…
　2人でもし娘が生まれたら、
　ルーシィって名前にしようと…」

「何それ。
　ノリで娘の名前決めないでよ」
　
ルーシィはそう言って笑っていた。
"お嬢様のルーシィ"として生きていた頃、
父親の前で一度も見せなかった笑顔を――

「そうだな、本当にすまない…」

「あれ…A!?
　いつからそこにいたの!!?」
　
ルーシィは振り返った事によって、
ジュードの後方にいた
Aの存在に気付いたのだった。