妖精の尻尾の姫_11章【FAIRYTAIL】 (ページ23)

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突然の再会② ページ23

「私だ。パパだよ」

「嘘…!!えっ?えぇ!!?」

その男性の名前は、
ジュード・ハートフィリア。

ハートフィリア財閥の社長であり、
ルーシィの父親である。

そして…
妖精の尻尾(ﾌｪｱﾘｰﾃｲﾙ)と
幽鬼の支配者(ﾌｧﾝﾄﾑﾛｰﾄﾞ)の
抗争の原因とも言える人物だった。

『この人が…ルーシィのお父さん…』

「君は…ルーシィの友達かな?」

『あ、はい…A・フェリスです』
　
咄嗟にAは挨拶したが、
内心とても複雑だった。
　
目の前にいる人物こそが
妖精の尻尾(ﾌｪｱﾘｰﾃｲﾙ)が攻撃される原因を作り、
ルーシィを酷く傷付けたのだ。

こうして対面した今、
どんな風に接すれば良いのか
Aは分からなかった。

「何でこんなトコに…
　てか…その格好…どうしたんですか？」

「ハートフィリア鉄道は買収されてね…
　私は会社も家も…金も全て失った」
　
「そんな…」
　
「私財を全て担保にしていたからね。
　全く…本気で経営をする者はバカを見る」

「ちょ…ちょっと家は!?
　あそこにはママのお墓が!!」
　
それを聞いたジュードは、
懐から1枚の紙切れを取り出して
ルーシィに渡した。

「ここに移したよ。
　悲しいと言うより…笑えてしまうよ。
　あれだけの富が一瞬にして消えた。
　私の長年の功績が一夜にして無になった。
　家庭を犠牲にしてまで働いた私の金がだ!!
　笑える!笑えるぞっ!!あはははっ!!!」

その様子を見たルーシィは、
Aと繋ぐ手に思わず力が入った。

『ルーシィ…』
　
「な…何しにきたの?」
　
「娘の顔を見に…だよ。ルーシィ」

「何よ…今更…!!
　それに妖精の尻尾(ﾌｪｱﾘｰﾃｲﾙ)には
　手を出さないでって言ったでしょ」
　
「今の私にそんな力はないよ。
　ただ…娘の顔を見にきただけなんだ」

その言葉を聞いたルーシィは、
信じられないと言いたげな表情をしていた。

「そんな顔をしないでくれ。
　今までの事は私が悪かった…
　ここに居座るつもりはない。

　私はこれから"アカリファ"の
　商業ギルドで仕事をするんだ。
　一から出直すんだよ」

「アカリファ?」

『マグノリアから西へ行けば、
　すぐに見える街だよ』

「そう…」
　
Aが説明を入れた後、
ルーシィはジュードの言葉に
笑みを浮かべていたのだが――

「それでな…ルーシィ。
　そのために金が必要なんだ」

ジュードから放たれたその言葉によって、
ルーシィから笑みが消えたのだった。