妖精の尻尾の姫_11章【FAIRYTAIL】 (ページ18)

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2人だけの幻想曲(ファンタジア) ページ18

妖精の尻尾(ﾌｪｱﾘｰﾃｲﾙ)
ギルドの屋上――

幻想曲(ﾌｧﾝﾀｼﾞｱ)が終わった後、
Aは1人でマグノリアの街を眺めていた。

『(ラクサス、観ててくれたのかな…)』

ガチャッ――
そんな事を考えていると、
そこにグレイが現れた。

「ここにいたか…」

『グレイ』

「幻想曲(ﾌｧﾝﾀｼﾞｱ)の打ち上げ、
　もう始まってんぞ」

『うん…
　でももう少しだけ、
　私はここにいようかな』

グレイはAの様子が
いつもと違う事にすぐ気付いた。

Aは物悲しげな表情で、
マグノリアの街を眺めていたのだった。

『そういえば、
　グレイが造った氷のお城…綺麗だったね。
　ジュビアと相性良さそうだし、
　今度ジュビアとまた仕事でも――
「空元気だな」』

Aの言葉を遮る様に、
グレイはぶっきらぼうに言った。

「オレの前では無理して笑おうとするな」

『うん、ごめんね』

未だに元気がないAを見兼ねたグレイは、
Aにとある提案をした。

「なぁ、A。
　オレと幻想曲(ﾌｧﾝﾀｼﾞｱ)の
　続きをやらないか?」

『幻想曲(ﾌｧﾝﾀｼﾞｱ)の続きって…どういう事?』

Aが首を傾けていると、
グレイはAの目の前で跪いて
手を差し伸べていたのだった。

「オ、オレと踊ってくれませんか…お姫様」

『今日のグレイ、何か変だよ?
　いつもならそんな台詞恥ずかしがるのに…』

「う、うっせぇよ!
　恥ずかしいの承知で言ってんだ!!」

『何で?』

「それは…
　Aの元気がねぇから…」

グレイはAの元気を取り戻すために言ったが、
恥ずかしさで頬を真っ赤にしていた。

『(グレイは私を元気付けようと、
　勇気を出してくれたんだね…)』

Aはグレイの気持ちと行動に嬉しくなり、
自身に差し伸べられた手を取った。

『少しだけなら良いですよ?王子様』

Aがそう言うと、
グレイは嬉しそうにはにかんだ。

Aとグレイを探しにやって来た
ルーシィとハッピーに見つかるまで、
2人は楽しげに踊り続けていた。