妖精の尻尾の姫_11章【FAIRYTAIL】 (ページ12)

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涙を揮って馬謖を斬る⑤ ページ12

「Aが
　そんな事を望んでいないと、
　お前は最初から分かっていたじゃろう。

　全く…不器用な奴じゃの…
　もう少し肩の力を抜かんかい」

「…」

「そうすれば、
　今まで見えなかったものが見えてくる。
　聞こえなかった言葉が聞こえてくる。
　人生はもっと楽しいぞ。

　ワシはな…
　お前の成長を見るのが生きがいだった。
　力などいらん、賢くなくても良い…
　何より元気である…それだけで十分だった」

ラクサスはそれを聞いた途端、
何かを堪えるかの様に唇を噛み締めていた。

「ラクサス…お前を破門とする」

「…あぁ」

「…と言うのは冗談じゃ」

「…は?」

ラクサスは意味不明だと言いたげな表情で、
マカロフを見つめていた。

「先程Aと話合ったんじゃよ。
　お前の処分をどうするのか…
　ワシは破門、Aは無期限の放浪」

「…」

「確かにお前は許されない事をした。
　だがお前が起こした事は、
　妖精の尻尾(ﾌｪｱﾘｰﾃｲﾙ)を
　大切に想っている気持ちの表れだと
　Aは言っていたのじゃ」

ラクサスは驚愕しながらも、
眠っているAに視線を向けた。

「それに…Aがこう言ったんじゃ。
　"1人でも家族の誰かが欠けるのは嫌だ"…とな」

「…っ!!」

「ラクサス、再び処分を言い渡す。
　お前を無期限の放浪とする。
　ワシが"帰ってこい"と言うまで、
　ゆっくりと世界を見てこい」

「あぁ…世話になったな、"じーじ"」

ラクサスはマカロフに背を向けて、
昔呼んでいた愛称でマカロフを呼んだ。

「身体には気を付けてな」

ラクサスは微笑みながら、
それだけ告げて医務室から出て行った。

「出てい゛げ…」
　
マカロフは辛い気持ちを押し込んで、
震える声で言い放ったのだった。