妖精の尻尾の姫_11章【FAIRYTAIL】 (ページ1)

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街を守るために① ページ1

マグノリアの街東方――
Aはエルザと別れた後、
神鳴殿に放つ氷の矢を造り出していた。

『98…99…100…』

100本の矢を造り出した所で、
Aは膝をついてしまったのだった。

『やっぱり今の私の魔力じゃ、
　200個は無理か…』

エルザは北側の200個、
Aは東側の200個を破壊する筈だったが、
ギルドのメンバー達の治療をした事で消耗した
今の魔力では100個が限界だった。

『どうしよう…時間がないのに…』

上空に浮かぶ神鳴殿を
Aが悔しそうに見つめていると、
脳へ直接語りかける声が突然聞こえた。

「おい!みんな聞こえるか!?」

『この声…ウォーレン?』

その声の主は、
妖精の尻尾(ﾌｪｱﾘｰﾃｲﾙ)の
魔導士の1人であるウォーレンだった。

ウォーレンは距離がある
相手とでも連絡を可能にする
"念話(ﾃﾚﾊﾟｼｰ)"の魔法を得意とする魔導士だ。

「一大事だ!空を見ろ!!」

「空って…何だありゃ…」

「まだ喧嘩してる奴はとりあえず中止だ!!」

「何コレ…頭の中に声が…」

「ウォーレンの念話(ﾃﾚﾊﾟｼｰ)だよ。
　心に直接呼びかける事が出来るんだ!!」

困惑していたルーシィに
ハッピーが説明していると、
ウォーレンが話し始めた。

「よく聞け!オマエら!!
　街の上に浮かんでる物を、
　ありったけの魔力で破壊するんだ!!
　1つ残らずだ!!!

　アレはこの街を襲うラクサスの魔法だ!
　時間がねぇ!!全員でやるんだ!!!」

「何だとォ!?」

「あれがラクサスの…」

それを聞いたギルドのメンバー達は、
困惑しながら空に浮かぶ神鳴殿を見つめた。

「ウォーレン、お前…何故神鳴殿の事を…」

「その声は…エルザか!?無事だったか!!?」

「エルザだって!?」

「石から戻ったのか!!」

エルザが問いかけると、
返ってきたのはウォーレンではなく
グレイの声だった。

「グレイ!?そうか…お前が…」

「偶然ウォーレンを見つけてな」

『ウォーレンを探してくれて助かったよ!
　ありがとう!グレイ!!』

「その声…Aか!?
　ギルドから出られたんだな!!」

グレイはAの声を聞くと、
安心した様に息を吐いた。

「おい…エルザが無事って事は…」

「他の子達は…レビィは!!?」

ジェットとドロイが慌てた様に、
石化したルーシィ達の安否を心配していた。

『大丈夫!みんな無事だよ!!』

「そうか…良かった…」

Aがその問いに答えると、
アルザックは安堵したのだった。