幸せのおすそ分け２２【あんスタ】 (ページ7)

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1057話ページ7

✩

一彩さんは難しい顔をして、私に言った

｢でも、僕は兄さんを連れ戻したいよ。故郷でどれだけ敬遠されようとも、やっぱり僕の兄さんだから｣

｢…ふふっ｣

｢僕は何かおかしいことを言ったかな？｣

｢ご、ごめんなさい！その、可愛いな～と思って♪｣

燐音さんが可愛がってた理由が分かる

きっと生まれる場所が違ったら、今頃クラスの人気者にでもなれてたかもしれないのに

…なんて、それは酷いかな

｢それで。かなり話が脱線してしまったけど、A先輩は兄さんと知り合いなのか？｣

｢ん～…｣

どうしよう、可愛くてからかいたくなってきた

れいちゃんや凛月の悪いくせが、私にまで伝染してるような…

何でだろう、最近悪いとこばっか移ってる気がする…

｢一応知り合い程度…って感じですかね？｣

｢一応？｣

｢あはは…その、昔燐音さんのお仲間みたいな人に、食べ物を恵んでもらったんです｣

｢そうかそうか、兄さんはまだ君主としての心構えを失っていなかったんだね…♪｣

くれたのはニキさんだけど…

嬉しそうにしてるし、言わないほうが良さそう？

｢疑ってすまない。僕はてっきり、兄さんが今日言っていたハニーとやらが君のことだと思っていたんだ｣

や、やっぱりこの人危険人物だ！

でも、ずっと隠し続けるのってなんか申し訳ない気持ちになってくる…

いやでも、ばれたら故郷のお土産にされそうだし…？

｢なに他の男とこんな夜に密会してんの、A～？｣

｢ひぎゃあっ！？｣

全然気づかなかった…！！