幸せのおすそ分け２２【あんスタ】 (ページ50)

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1100話ページ50

✩

｢A｣

｢…？｣

私達が楽屋に向かおうとすると、れいちゃんに足止めされた

半ば放心状態の私を見て、れいちゃんはもう察していた

｢自分で気がついたようじゃな｣

｢れ、れいちゃん…嘘だよね？こんなの、現実に…日本にある訳ないよね？｣

｢残念なことに、まだ残っておるんじゃよ｣

｢嘘って言ってよ…お願いだから！嘘でもいいから言ってよ！！｣

私がれいちゃんを壁に追いやっても、れいちゃんは何も言わずにただ俯いていた

嘘でしょ…

この前の会話が頭に何度も蘇ってくる

｢3億とか、4億とか…それ、私のことじゃないよね？｣

｢…｣

｢お願いだから、違うって言ってよ…！｣

｢…最近、コズプロ上層部がある商品を売っておると密かに話題になっていた｣

私は絶句した

｢やだ…絶対に信じない…おかしいよそれ…｣

｢…A｣

｢っ…！？｣

れいちゃんは私の手を掴むと、しっかりと私を見た

いつもみたいにはぐらかしてよ

それで、なんだドッキリかって…安心したいのに

｢逃げろ｣

｢に、逃げるって…どこに？｣

｢故郷に行けば、きっと匿ってくれる｣

｢そんなの、できない…｣

あそこを危険な目に合わせたくない

あぁ、ダメだ…

｢あはは…｣

｢…｣

私の人生、あっけなかったなぁ

ううん

十分楽しんだほうだよね

｢A…本当に、すまない｣

｢れいちゃんは何も悪くないよ。誰も何も悪くない｣

皆はただ、幸せになりたいだけなんだよね