1096話 ページ46
✩
｢当日はあまり時間も残さておらんからのう。これが最後の練習だと思っておくれ｣
｢ほんと、期間が短すぎる…｣
｢夢ノ咲出身ならこれぐらい慣れてもらわんと｣
ええぇ〜…
私は手袋を外すと、椅子に座って楽器を構えた
｢…〜♪〜♪｣
私は一音一音間違えないように、丁寧に弾いた
両手を使うのって本当に慣れだよね
考えてできないもん…
｢うむ、順調じゃの。我輩たちは二組目が演奏してる間に衣装を着替えるぞい｣
｢分かった！｣
｢良いな〜。俺たちも衣装二着がよかった〜！｣
｢向こうは音楽の系統が違うんだから仕方ないでしょ。それに着替える暇ないし｣
｢あはは…｣
最初はしっとり、次はロックで、最後にまぁ…元気よく？って感じの流れになってる
二組目の演奏も凄いなぁ…
｢なにぼけ〜っとしておるんじゃ。余裕じゃのう｣
｢うっ…凄いなって思ってただけだから！｣
｢サックスのソロパートは任せたからのう｣
｢…うん｣
ほぼ素人同然の私に、こんな短期間で二つも習得するとか普通に鬼畜だよね
もう、全然優しくない…
まぁれいちゃんらしいけど
｢すご…｣
｢最後に、全員で合わせるぞい。指揮は任せておくれ｣
片方ずつなら良かったけど、全員となると指揮者がいないもんね
そこはれいちゃんが任せてくれることになった
なんか凄いやりやすいんだよね
人によってこんなに変わるんだって実感する
｢(ここで一礼して…)｣
｢…うむ♪｣
｢〜♪〜♪｣
ソロパートが始まると、私は誰よりも注目されるような形で演奏した
それで、このまま席について…
うん！ばっちり…♪
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作者名：赤月 音 | 作成日時：2021年3月15日 6時
