1085話 ページ35
✩
｢＿＿＿…｣
｢んん…｣
誰かが立ち去ろうとしてるのが分かった
私は凄く不安になって、その手を引っ張った
やだ…
｢置いてっちゃ、やだ…｣
私は相手を確認してから、一気に顔が真っ赤になった
や、やば…
｢あ、あの…これは、その…｣
｢｢きゃあああ〜♪｣｣
｢絶対に置いてきません！｣
｢今日は全員でA先輩の部屋に…｣
｢ごめんなさい！勘違いです！！｣
私のことを好きでいてくれてる人たちが、どうやらここまで運んできてくれたらしい
何やってんだか…
迷惑かけて、空回りばっかしてる気がする
私が落ち込んでると、一人の女性アイドルが質問してきた
｢凛月くんにいつもおねだりしてるんですか！？｣
｢凛月？いやいや、そんなことないですよ！｣
なんで急に凛月が出てくるの…？
疑問に思いながら、私は一人で部屋まで向かった
いつまでもおんぶされてちゃいけないしね
｢…あ、あの。どうして皆さんにやついてるんですか？｣
｢愛されてるな〜と思いまして！ね〜？｣
｢ね〜♪｣
｢…？｣
私が不思議そうにしてると、また別の女性アイドルが興奮しながら教えてくれた
｢さっきまで凛月さんにお姫様抱っこしてもらってたんですよ！｣
｢最後なんかほっぺにちゅ〜なんかしちゃってて〜♪｣
｢…へっ！？｣
あれ、さっき別の子が｢私たちが運びました！｣って顔してたけど…
そういえばいつ寝たんだっけ？
ダメだ、全然思い出せない…
でもそっか、凛月が…
｢えへへ…♪｣
私は嬉しくなって、つい笑顔になってしまった
凛月ありがとね
ふふっ、今日は満月なんだ…♪
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作者名：赤月 音 | 作成日時：2021年3月15日 6時
