794話 ページ44
✩
｢Aちゃん〜！ふわぁ、あふ…｣
｢あ、あんずちゃん大丈夫！？｣
すっごく眠そう…
手に持ってるのは私の衣装かな？
あんずちゃん、こんなになるまで頑張ってくれたんだ
｢ごめんね、遅くなっちゃって…｣
｢ううん！ありがとう、あんずちゃん…♪｣
｢よかった…ちゃんと渡せ、て…｣
｢わわっ…！？｣
｢…すぅ｣
私に倒れかかると、あんずちゃんはそのまま寝てしまった
う〜ん、厨房に行って作業しないと終わんないし…
｢ふふっ、お疲れさま…♪｣
あんずちゃんをおんぶすると、私は保健室まで運ぶことにした
おんぶはりっちゃんで慣れてるし、多分起こすことはないと思う
｢失礼しま〜す…｣
｢…すぅ｣
誰もいないのかな？
私はあんずちゃんをベッドにゆっくり下ろすと、そのまま布団をかけた
ふふっ、可愛い顔して寝るなぁ〜♪
｢お前は男子校で百合展開を発生させる気か｣
｢ひいいぃっ…！？え、ゆり？お花ですか？｣
｢…悪かった｣
｢…？｣
私があんずちゃんを眺めてると、後ろから声が聞こえた
いたっけ…？
｢ここまで頑張ってくれたんですよね。私も頑張らないと…♪｣
｢もう明日なんだっけか。時間は早いな〜｣
｢本当に早く感じます｣
保健室の外から見える風景が、いつもの殺風景なグラウンドとは違った
｢お祭りって感じですね〜♪｣
｢祭りごとは嫌いかと思ってたけど、そうでもないんだな｣
｢…？行事ごとなんてバカみたいだなって思ってたけど、今は全然思ってませんよ｣
だって、こんなに楽しいんだから…♪
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作者名：赤月 音 | 作成日時：2021年2月28日 19時
