776話 ページ26
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「ひゃあああ…緊張しちゃう…!!」
「うぐっ、苦しいよA…」
「明星くんが絞め殺されてる!?」
私はどきどきしながら観客席に座っていた
だ、大丈夫だもん、未来は明るいもん…
「…」
「?ふふっ…♪」
「これはその…き、緊張で手汗が…」
私がりっちゃんからもらった指輪を触ってると、あんずちゃんにくすくす笑われた
そんなに笑わなくてもいいのに…
私が不貞腐れてると、後ろにいたお客さんの声が聞こえてきた
「王さまが帰ってきたって本当なのかな!?」
「超嬉しいよね!ほんとおかえりって感じ!」
「楽しみ〜♪」
「…」
その王さまが、まさかKnightsを解散させようだなんて思ってもない声だった
う〜ん…なんか心が痛い
大切だから、きっと誰かに壊される前に自分の手で終わらせて、楽にさせてあげたいんだろうな
…なんか、考え方が本当に前の私みたい
お母さんがこのまま苦しむぐらいなら…って
「…本当に、同じなのかも」
「え?」
するとさっそく、月永さんが舞台にやって来た
おぉ、意外と説明が分かりやすい!
もっとアホな説明してくるのかと思ってた←
『説明は以上だ!…ん?』
「…!」
『おぉ!子羊ちゃんもいるのか!わはは、どんだけKnights好きなんだよおまえ!保護者か?』
「なっ…!?」
私と目が合うと、思いきり手を振ってきた
わざわざマイク使って言わなくてもよくない!?
『まぁおまえが大好きなKnightsは、もしかしたら今日で解散しちゃうかもだけどな〜♪』
「…」
期待もしてないくせに、そんな言葉を並べて…
私もこんな感じだったのかな
ようやくりっちゃんの言いたいことが分かってきた
「確かにこれは、虚しいね…」
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作者名:赤月 音 | 作成日時:2021年2月28日 19時