763話 ページ13
✩
｢癒し系彼女って感じだもんね〜！くあぁ〜羨ましい！｣
｢か、彼女…｣
こんな堂々と彼女なんて言葉を食らうと、意識してしまう
顔が熱くなってるのが分かる
は、恥ずかしい…！！
｢え〜！なになに？好きな人いるの！？｣
｢氷鷹さん、その子は…｣
｢んん？｣
｢…確か朔間凛月くんっていうアイドルと、婚約予定だったよね｣
乱凪砂さん…！
私は必死に頷いた
｢そ、そうです！でもりっちゃんの彼女じゃありませんからね！｣
｢青春は今しかないのよ〜？アイドルだって恋ぐらいしても良いじゃない｣
｢うぅ、でも…｣
それはちょっと思ったけど…
大人に言われると、なんて返せばいいのか分からない
とりあえず笑顔で肯定するべきなんだろうけど、言葉が上手く出てこなかった
｢…それより。次はAちゃんの演技を見せるはずだよね｣
｢あっ、そうだった！｣
｢…楽しみにしてる♪｣
｢私演技とかやったことないし、あんまり期待しないでね？｣
顔の熱を冷ますと、私は決められた服を着て公園の奥へ向かった
確かに、ここ事件とか起きそう…
｢回想シーンだから、ただ犯人に身を委ねれば良いのよ！｣
｢は、はい！｣
｢…頑張ってね｣
あっ、そっか
真犯人であって、乱凪砂さんは今回の事件の犯人ではないんだもんね
…ん？
それじゃあなんで、今日現場に…？
｢もう予習済みだろうけど、僕が追いかけるから逃げてくださいね｣
｢は、はい！分かりました！…っ！？｣
な、何だろう…
その人の目を見ると、全身に寒気がした
これが、プロの演技…？
｢準備はいいですかー？｣
私も負けてられない
せめて、失望させないようにしないと！
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作者名：赤月 音 | 作成日時：2021年2月28日 19時
