762話 ページ12
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「…あぁ見えて凄い人なんだよ」
「う、うん…私でも知ってる大女優さんだもんね」
それに、今までの経験上偉大な人には変人が多いって理解してる…
「彼女があの事件に関わっている可能性は非常に高い。すぐにでも調査に取り掛かるべきだわ」
「ふむ…前園くんが言うのにゃら…あ…」
「ぶっ…あははは!ちょっとカメラさん〜、今の絶対NG集で取り上げられると思うから残しといて!」
「あはは!はい!」
「「…」」
演技の時とテンションの差が激しい…!
それにしても、カメラさんもあの人が言った通りすぐに頷いてるし…
この現場のムードメーカーはきっとあの人なんだろうな
「そういえば聞いてなかったけど、乱凪砂さんは何役なの?」
「…私は、このすべての事件の真犯人役だよ」
「…え゛っ」
「…Aちゃんは?」
「ひ、被害者役…」
死ぬから割と出番ないっていうか、まぁそんなに喋らないからラッキーって思ってる
私乱凪砂さんに殺されるんだ…
「…ふふっ。ごめんね、笑ってしまった」
「ぷっ…あはは!びっくりしたけど、意外すぎてちょっと面白かった…♪」
「…それじゃあ、出演するのは今回だけなんだ」
「そうだね〜。ふふっ、帰ったらこのドラマ録画しよ〜っと♪」
私と乱凪砂さんがほのぼのとしてると、さっきから通りかかるスタッフさんやカメラさんに驚いた顔で見られてた
しまいには監督さんまで…
新人のくせに喋らないほうが良かったのかな…?
「シゲちゃんどうしたの〜?」
「い、いや…凪砂くん。君の笑顔は初めて見たよ」
「えぇ!?ほんと!?ほんとだ〜!!」
あれ、氷鷹さんの前でさっき普通に笑ってなかったっけ…?
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作者名:赤月 音 | 作成日時:2021年2月28日 19時