487話 ページ37
✩
『結果は…』
「「…」」
『朔間凛月さんの勝利です!!』
『うわぁ、またか〜…』
バラードなのに、ダメだ…
これ以上動いたら本気で吐きそう…!
『…A。トイレ行きたいの?』
『は、はは…』
『どうする?このまま不戦勝でも良いんだよ…♪』
『続けるから…でもちょっとおトイレ!』
「…りっちゃん、ありがとう」
「どういたしまして…♪」
私は舞台袖まで歩いていった瞬間、我慢してたものが一気に込み上げてきた
スタッフさんが袋持ってたのって、りっちゃんが気づいて用意させてたとか?
それにしても本当に申し訳ない…
「酷い熱!大丈夫ですか!?」
「このままライブを続けたら…」
「げほっ…だ、大丈夫です。ちょっとお水ください…」
「誰か急いで持ってこい!!」
頭が痛い…気持ち悪い…
それに加えて全身の骨がヒリヒリする
「…っ、げほっ!ごほっ!」
『〜♪…!?』
歌っているりっちゃんと目が合った
そんな心配そうに見ないでよ…
今は自分の演目に集中してって言いたいのに
喉が焼ける
深く息を吸いすぎたせいかも
全部が痛い、熱いし寒い…!
「「きゃああああああああ!!!!!!」」
『…今の曲が最後になるかなぁ』
「…!?」
『ま、待った!私まだ歌ってない!…っ、けほっ』
『顔真っ赤だよ?まだ続ける気?』
『勝つまで続ける!絶対やめない!』
『…そっか。仕方ないなぁ』
りっちゃんは私の近くまで歩いてくると、面と向かって言った
何だか、いつも見ないりっちゃんだった
『大丈夫だよ。すぐに楽にしてあげるからね…♪』
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作者名:赤月 音 | 作成日時:2021年1月31日 6時