484話 ページ34
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『やっほ〜♪今は夜だからねぇ、俺はやる気十分だよ〜♪』
「「きゃあああああああ!!!!!!!」」
『あはは、凄いねぇ…ね、A?』
『う、うん!チケット完売って聞いて、私何回も確認しちゃったし…』
怖すぎて何も考えられない
熱のせいか緊張のせいか、今にもぶっ倒れないか心配になってしまうほど気持ち悪い
「…無理なら俺は不戦勝を狙うつもりだから。いつでも合図して」
「やだ!!それだけは絶対にさせない!」
「でも…」
「りっちゃんにそんな勝ち方したら私、一生自分のこと恥ずかしい奴だって思いそうだから…お願い」
「…」
おしえてもらった方法でマイクをオフにして話す
悲しそうな顔で、りっちゃんは黙った
私は来てくれたお客さんに向かって話し始めた
『今日は会場に来てくださり本当にありがとうございます!!絶対にりっちゃんが勝つやん…って思ってるだろうけど口にしないで!ネタバレ禁止!』
『…負ける前提で話さないの』
『あはは…でも!私だって勝ちに来てるから!今日はお願いします!』
『やるからには、Aだろうと全力で戦うよ。今日はお願いします』
最初はりっちゃんが歌って、その次に私
曲が終わったあとにりっちゃんなら青、私なら白色のペンライトを付けることで一票入る
二曲で早かったら勝敗がついちゃうけど、延長戦が続けば何時間も続くライブ
Knightsではこういうルールが本当に存在するらしい
私は詳しくないんだけど…
『〜♪〜♪』
「はあ…はぁ…っ」
まだ歌ってもないのに息が荒い
怖い…怖い…
一人は怖いよ…!
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作者名:赤月 音 | 作成日時:2021年1月31日 6時