466話 ページ16
✩
「一番ダメな解答だな。皆が大好きな数字を付けるとしたら、1点だ!」
「えぇ!?」
私のなかでは70ぐらいはあると思ってたのに…!
その人は真剣な表情で私に言った
私は思わずゾクッとして、声も出せなかった
「いつかおまえ、壊れるぞ」
「…!?」
「物事を全て自分中心にして考えろ。他人に決定権を委ねるな。自分を主軸にして考えろ」
「え、え…?」
「つまり自己中になれ!わははっ✩」
こ、怖い…
あの人には本当に、私が見えてるの?
「そうかそうか。おまえは"おれ"だったんだな」
「ち、違いますよ?」
「おれと考えがそっくりだ。人の笑顔で幸せになれるタイプの人間なんだろ」
「うっ…」
「だから人の不幸はまるで自分も不幸になったような感覚を覚える。そしてその不幸は不安に変わる」
わ、分かってる…
本当に、私と同じタイプなの?
こ、こんな変な人が?
「同じだから分かる。おまえは変人だっ!」
「は、はいぃ!?」
「自分が存在しないからどんな奴らとも仲良くなろうとする!おまえは道でへらへら笑ってるピエロだ!」
「ぴ、ピエロ?私が?…ひぎゃっ!?」
月永さんは私の腕を掴むと、強く握りしめた
い、痛い…!
「ピエロは人間の恐怖心だ。それになるぐらいならおまえは可愛い"子羊ちゃん"に変身しろ。おまえはピエロなんだからそれぐらいできるだろ!?」
「ち、違いますってば…!」
「認めろ!!じゃないとおまえは一生何者にもなれないぞ!」
ミシミシ聞こえる
痛い、離してよ…!
その人は私に質問した
「もう一度聞く!おまえは何なんだ!」
「私は…」
何も思いつかなかった
だからぱっと頭のなかに浮かんだものをそのまま答えた
「皆が安心できるような、どっしり構えてるタイプのひつじです!」
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作者名:赤月 音 | 作成日時:2021年1月31日 6時