394話 ページ44
✩
｢はぁ…あの、行くってどこに？それに私、パジャマなんですけど…｣
急いでたせいでスマホ置いてきたし、家族から連絡きたらどうしよう…
それに、私もう眠いのに
｢これから演劇を観に行くんすよ！ちゃんとAさん用にチケットも買いました！｣
｢ふぁ、あふ…後でお金払いますね｣
｢この前の分からもう引いてありますよ！｣
｢行動が、はやい…すぅ…｣
｢ん…？｣
｢あっ、起きたんですか。丁度良かった、もう始まりますよ！｣
｢ここ…え！？｣
私はいつもあかりちゃんの行動とかをネットで調べてるけど
ここ、もしかしなくてもその会場だ…！
そりゃこんな時間でも満席な訳だ…
そんなチケットを、よくもまぁゲットできたなぁ〜
『たった一つの私の恋が、憎い人から生まれるなんて…知らずに逢うのが早すぎて、知ったときにはもう遅い』
｢…っ！？｣
あ、あかりちゃんだ…
遠すぎてあかりちゃんには見えないだろうけど、私は久しぶりに生で会えたことに嬉しい
…そう感じたかった
｢っ…｣
｢…？Aさん？｣
｢…｣
あかりちゃんと自分の住む世界が違いすぎて、悔しくなった
私は本当に、あんな子と世間から見て対等に話せるような存在になれるのかな…
不安が募った
同時に、強い意志を抱いた
｢…マネージャーさん、ここに連れて来てくれてありがとうございます｣
｢いえいえ！いや〜綺麗でしたねあかりさん！｣
｢…はい。とっても綺麗でした！｣
私もすぐに、そっちの世界に向かうから
だから待っててね…あかりちゃん
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作者名：赤月 音 | 作成日時：2021年1月27日 18時
