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355話 ページ5
✩
｢…ぐわっ！？｣
誰かに引っ張られた
たまたま入った部屋は電気がついてなくて、窓もないから真っ暗だった
｢どうしたの、れいちゃん？｣
｢…我輩だと、よく分かったのう｣
｢りっちゃんはこんな真っ昼間から大胆なことしてこないもん…♪｣
｢…そうかえ｣
この様子だと、れいちゃんも聞いてたのか
…それとも、最初から知ってたのかな？
れいちゃんは気づいたら色んなことを知ってるから、どっちなんだろう
｢…｣
｢れいちゃん？｣
｢我輩がAにこうして触れても何も起こらないのは、そういうことじゃ｣
｢…あぁ、なるほど〜。確かに家族どうしで抱きついて体力減ったら、困っちゃうもんね｣
私はロマン主義じゃないから、別にそういう絵本みたいなお話には特別憧れてた訳じゃないんだけど
なんか…
こんな話を聞いちゃうと、困惑するっていうか…
ちょっと嬉しいような…なんて言うか…
｢れいちゃんはいつ知ったの？｣
｢いつだったかのう…家に置いてあった書物を読み漁っていた頃なんじゃけど｣
｢へぇ〜…どうして、りっちゃんと私に言わなかったの？｣
｢これを知ったから結婚しよう…なんて思って欲しくなくてのう。いつ話そうか迷っておったんじゃよ｣
結構気にするんだ…
そこはちょっと、れいちゃんらしいかも
｢我輩はもう何年も離れておったし…二人は今、どこまで進んでおるんじゃ？｣
｢…多分、するよ。結婚｣
あはは…なんだろ、恥ずかしい
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作者名：赤月 音 | 作成日時：2021年1月27日 18時
