380話 ページ30
✩
｢初勝利、おめでとう…♪｣
｢…！りっちゃん〜！！｣
｢ふふっ、よしよし…♪｣
私はりっちゃんのおかげで安心できたことを話した
カチコチになったけど、りっちゃんがくれた指輪を触ってたら安心して…
｢勇気をもらえたの！｣
｢そうだったんだね…♪｣
｢うんっ♪｣
｢その割にはさっき、暗い顔してたのは何で？｣
｢あはは、気づいてたんだ…えっと、実は…｣
私はあの人達のことも話した
沢山泣いていたこと
勝ったのに完全に喜べないこのむず痒い感じ
今も残ってる喉の違和感
｢は？首締められたの？｣
｢うん。あの人、凄く感情的になっててね…それだけ真剣だった。本気で悔しがってた｣
｢はぁ…優しすぎ。同情してないで、まずは怒りなよ。そうしないとまた舐められちゃうよ？｣
｢うぅ…でも、起これないよ…｣
私が本気で怒ると、怒り慣れてないからなのか泣いちゃうし…
｢それに今回なんて、向こうは別に悪い人じゃない。ちょっと気を抜いてたら予想外の事が起きただけ｣
｢いやいや…どう考えても油断してたそいつが悪い。何があろうと、勝ちは勝ちで負けは負けなんだから｣
｢…そう、なんだ｣
｢そうだよ｣
アイドルって複雑なんだね
衝突しなくちゃいけない運命なんて、やだなぁ…
私は常に穏便に済ませたいのに
｢ねぇりっちゃん｣
｢んん？｣
｢成績ってそんなに大事なのかな…それだけが本当に自分の価値全てなのかなぁ…｣
｢そんな事ないよ。落ちたって人生は終わらないし、学校ひとつやめればいくらでも別の道はある｣
まぁ行きたい場所があるならそれほど大事…でもあるんだろうけど
あんなに頑張ってたら、きっと報われるはずだよ
だって神さまは、良い子にしてたら絶対じゃないけど大体ご褒美を与えてくれるものだから…♪
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 28人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：赤月 音 | 作成日時：2021年1月27日 18時
