378話 ページ28
✩
｢〜♪…｣
｢｢…｣｣
曲が終わった瞬間、どこからも音ひとつ聞こえないぐらい静かだった
｢…すげええええ！！！！｣
｢可愛い路線かと思ってたらまさかの超格好良い路線だったんだけど！！！｣
｢ていうか歌う前と雰囲気変わりすぎだろ！！｣
｢はっ…はぁ…｣
よかった…
目の前にして歓声を浴びると、何だか嬉しい気持ちになった
この世で一番強いお薬を飲んじゃったのかなって、錯覚してしまうほど今くらくらしてる
｢…どういう事だよ｣
｢え？…っ！？｣
｢お前…さっきのは俺らを安心させる為の演技だったのかよ！何とか言えよ！！！｣
｢ち、ちがっ…！｣
苦しい…！
首を絞めるられて、うまく声どころか息さえできなかった
頭にどんどん血が上っていくのが分かる
痛い…！！
すると、後ろから声が聞こえた
｢逆ですよ｣
｢あぁ！？どこにいるん…ひっ！？｣
｢彼女は舞台で最高の演技をした…ただそれだけです｣
｢お、おい！逃げるぞ！｣
｢こんな事がばれたら単位落とされちまう！｣
その人はぱっと手を離してくれた
喉に何か詰まってるみたいな、息のしずらさを覚える
｢げほっ、ごほっ…｣
｢貴女も大変ですねぇ。ライブが終わってもこのザマなんですから｣
｢はっ、はぁ…あの…助かり、ました…｣
｢いえいえ。貴女に何かあっては、英智が大暴れしそうですしね…♪｣
エッちゃんの知り合い…？
あれ、この人どこかで…
｢今日のライブ、素晴らしかったですよ｣
｢あ、あの！…え？｣
どこに行ったの…？
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作者名：赤月 音 | 作成日時：2021年1月27日 18時
