幸せのおすそ分け８【あんスタ】 (ページ27)

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377話ページ27

✩

うわぁ、大反響だなぁ…

さっき大口を叩いてただけあって、本当に強いんだ

ううぅ…怖いよ～！！！

だだ、大丈夫…大丈夫…大丈夫…！

｢ははっ、勝ったな｣

｢俺ら超成績良いんじゃね？｣

｢まじそれな！｣

向こうから汗をかいたさっきの人達が歩いてきた

がたがた震えてる私を見て、また笑ってきた

｢産まれたての子鹿みたいで可愛い～！｣

｢あんまり気負わず頑張れよ、俺達も見てるからさ…♪｣

｢見てるとか言ったら緊張させちまうだろ？｣

｢あぁ、そっか。ごめんな…♪｣

｢い、いえいえ！あ、あのっ、さっきのライブ凄かったです！｣

｢ありがとう！｣

勝ちを見越しての煽りってことぐらい、私には分かった

悔しいけど、凄かったもんね…

もう少しで私の番だ

｢…｣

それから、私は想像した

私は今オークションで売られてて、目の前にいるのは私を買ってくれる唯一のお客さん

この人達に買ってもらえなかったら…死ぬ

イメージトレーニングをしてると、不思議と冷静になれた

怖すぎて、一周まわって無になるあれ

｢あの子が例の女性プロデュース科第一期生だろ｣

｢可愛い～！｣

｢恥ずかしいからフード被ってるのかな？｣

｢ていうか衣装よく見たらかっこよくない？｣

想像したら、私は面白いと感じてしまった

そして、現実も本当に想像通りだった

｢すぅ…～♪｣

｢｢…｣｣

｢～♪～♪｣

私が歌い始めた瞬間、会場の空気が変わった